看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

理不尽に怒られた話

当ブログで、

今までに話してきた通り、

看護師の世界とは、

理不尽極まりないものです。

 

今回も、

そんなエピソードを話したいと思います。

 

今回話すのは、

私が看護師として3年目、

つまり、

1年目の成人精神神経科から、

救命救急センターに異動になって、

さらに救命救急センター一般病棟から、

救命救急センター重症病棟への配置となった年です。

 

その日は、

準夜勤(16時15分~0時15分)でした。

 

相方は、

UMDさんという、

はっきりとした年齢は知りませんが、

推定30歳台なかばの人でした。

 

当時の、

救命救急センターの看護師の中では珍しく、

穏やかで優しい人でした。

 

ちなみに、

準夜勤の看護体制は、

一般病棟2名

重症病棟2名

救急外来2名(うち1名は放射線科看護師)

フリー1名

という、

7名体制でした。

 

フリーが1名居るというのが、

深夜勤と違うところです。

 

あと、

救急外来に患者が居なければ、

救急外来担当の2名は、

積極的に救急一般病棟・重症病棟を、

手伝うことになっていました。

 

逆もまた然りで、

救急一般病棟・重症病棟が比較的暇で、

救急外来が忙しい時は、

看護師1名を残して、

他の1名が応援に行っていました。

 

ただ、

救急外来が忙しいということは、

その後入院になるということなので、

必然的に救急一般病棟・重症病棟も、

忙しくなります。

 

その日の夕方、

勤務に入るため救急重症病棟に行くと、

 

「2ベッド」

 

のところに、

人だかりができていました。

 

ちなみに、

当時の救急重症病棟には、

6床のベッド(+1床の予備)がありました。

 

予備のベッドは、

重症病棟から救急外来に向かう、

自動扉を出たすぐ左手の、

個室内にありました。

 

ここは、

滅多に稼働しないところでした。

 

1ベッドは、

上記の扉を出る前の左手にあり、

壁で囲まれていて、

半個室のようになっていました。

 

そこから順番に、

2・3・4・5・6ベッドと、

並んでいました。

 

16時15分から、

日勤→準夜勤の

 

「申し送り」

 

が始まります。

 

この時、

救命救急センターでは、

深夜勤→日勤・準夜勤→深夜勤の申し送りは、

廃止の方向となっていて、

各勤務者が自ら情報収集をして、

前勤務者が補助的に、

申し送りをする形をとっていました。

 

日勤→準夜勤のみが、

日勤メンバーが日勤リーダーに報告した内容を、

日勤リーダーが準夜勤務者に、

申し送りしていたのです。

 

その申し送りによると、

2ベッドの患者は、

30歳台の男性でした。

 

元々、

 

「拡張型心筋症」

 

で、

病院の最寄り駅で突然倒れ、

救急搬送されたとのこと。

 

その時、

心臓血管外科医により、

 

「IABP」

 

の留置が行われているところでした。

※IABP資料:iabp.pdf (kinshukai.or.jp)

 

しかも、

留置に難渋しているとのこと。

 

以前にも話したと思うのですが、

当時のこの病院は、

心臓血管外科・循環器内科の患者が、

救急搬送されてきた場合、

救命救急センターの医師は

 

「ノータッチ」

 

で、

それぞれの科の医師が、

対応することになっていました。

 

入院についても、

心臓血管外科の患者は、

軽症の場合ホーム病棟、

重症の場合は病院のICUに、

直接入院することになっていました。

 

循環器内科の患者も、

軽症の場合はホーム病棟、

重症の場合はHCU・CCUへ、

直接入院でした。

 

しかし、

上記病棟が満床の場合、

救命救急センターの病床を提供し、

処置や指示は、

当該科の医師が行うことになっていました。

 

今回の場合、

ICUが満床のため、

救急の重症病棟に、

入院となったのです。

 

心臓血管外科の患者が、

救急の重症病棟に入ることは、

上記の通り

 

「稀」

 

なことであり、

また、

IABPも、

年に1~2度あるかないかのことで、

この患者の担当は、

経験を積むために、

 

「私」

 

になりました。

 

たしか、

救急重症病棟に入って、

そんなに間がなく、

夜勤を自立して2~3ヶ月ぐらいだったと思います。

 

私は、

 

「大きな不安」

 

を感じました。

 

処置(IABP留置)が初めてなら、

拡張型心筋症の患者を看るのも初めて。

 

なにより、

心臓血管外科の医師と関わるのが初めてだったので、

 

「足手まといになるのでは?」

 

と思ったのです。

 

心臓血管外科医は、

医師の中でもいちばん優秀と言われていて、

いわば

 

「プライドの塊」

 

です。

 

もし、

粗相などしようものなら、

激しく叱責されるのではと、

 

「根拠のない考え」

 

に、

さいなまれました。

 

救命救急センターの医師は、

初めての処置につく場合は、

懇切丁寧に教えてくれるので、

不安は少なかったのです。

 

あの

 

「重本医師」

 

ですら、

機嫌が普通以上であれば、

そうしてくれました。

「看護師の質が落ちている」/それに反論したのはあの人 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

言うことに一貫性のない医師・重本 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

注意せんのかい!/言うことにもやることにも一貫性のない医師・重本 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

機嫌が悪いと難癖をつける医師・重本/機嫌を仕事に持ち込むな! - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

医師は看護師の提言を聞くべき - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

「ぶち壊しじゃないか!」→あなたに心配していただかなくて結構です/重本 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

当時私が、

 

救命救急センター唯一の男性看護師」

 

であったことも、

優しくしてくれる理由のひとつだったと思います。

 

先輩看護師から、

理不尽な扱いを受けている時も、

随分助けてもらったものです。

型通りのことしかできない看護師/応用の利かない看護師・OKMT - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

とにかく、

不安を抱えての、

準夜勤のスタートだったのを、

今でも鮮明に覚えています。

 

IABPの留置は、

午後からずっとやっているらしく、

もう何時間も続いていました。

 

その患者が、

 

「超肥満体形」

 

だったことが、

その理由です。

 

私は、

極力2ベッドの傍に居て、

医師の指示にすぐ応えられるようにしていたのですが、

他の患者のこともしなければなりません。

 

それを察したのか、

心臓血管外科医のひとりが、

 

「なんかあったら呼ぶから」

 

と言ってくれました。

 

IABPの留置に難渋していて、

 

「膠着状態」

 

だから、

すぐには看護師の手は、

要らなかったのだと思います。

 

心臓血管外科医とは、

先に述べたように、

優秀な人しかなれないので、

この時も、

病院全体で3~4人しか居ませんでした。

 

「少数精鋭」

 

ということです。

 

心臓血管外科のある病院は、

大体どこの病院でも、

心臓血管外科医は、

少人数のところが多いように思います。

 

ただし、

大学病院を除いてですが。

 

ちなみに、

この時この病院の循環器内科医は、

無駄に人数が多かったように思います。

 

そして、

その3~4人全員が、

この処置に関わっていました。

 

心臓血管外科医は、

自分たちが

 

「外様」

 

であることで、

ちょっと遠慮していたところもあるのでしょうが、

要は、

 

「常識を持ち合わせている」

 

ということです。

 

実際は、

なかなか留置ができなくて、

イライラしていたはずですが、

それを表に出すことなく、

淡々と処置を行っていました。

 

これが、

この病院のこの当時の循環器内科医なら、

露骨にイライラして、

看護師にも、

 

「当たり散らしていた」

 

と思います。

私の循環器内科医師に対するイメージを良い意味で変えた/近畿中央病院・循環器内科 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

本当に頭の良い人というのは、

 

「ギャンギャン」

 

吠えないものです。

 

上記リンクの、

近畿中央病院の循環器内科部長のように。

 

とにかく、

この時の心臓血管外科医は、

みんな

 

「紳士」

 

でした。

 

以後も、

膠着状態が続いており、

先が見えない状況でした。

 

すると、

相方のUMDさんが、

 

「○○(私の苗字)君、先に休憩行って。まだまだかかりそうやし今のうちに」

 

と言いました。

 

私は、

その言葉に従い、

先に休憩行きました。

 

それでも、

やはり気になるので、

休憩を少し早く切り上げて、

勤務に戻りました。

 

すると、

UMDさんは、

 

「もう戻ってきたん?もっとゆっくりしてきたらいいのに」

 

と言いました。

 

当時の救命救急センターの看護師で、

こんなことを言ってくれるのは、

このUMDさんと、

私の

 

「看護師の師匠」

 

のひとりである、

 

「FKSMさん」

 

ぐらいです。

私の看護師の師匠・FKSMさん - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

私が、

休憩から戻ってきたので、

今度はUMDさんの番ですが、

彼女は一向に行こうとしません。

 

私が、

対等に言える立場であれば、

 

UMDさん休憩どうぞ」

 

とでも言うところですが、

私はその時、

そんな立場にはありません。

 

しかも、

初めて関わる医師の下、

初めての処置につき、

初めて看る疾患の患者。

 

そしてさらに、

他の自分の患者のみならず、

休憩に行くUMDさんの患者も看なければならない。

 

当時の私には、

明らかに

 

「キャパオーバー」

 

です。

 

ですから、

UMDさんが休憩に行かずに居てくれることは、

とても心強かったのです。

 

きっと、

UMDさんも、

私のことが心配で、

行けなかったのだと思います。

 

私が、

UMDさんの立場でも、

きっとそうだったことでしょう。

 

結局、

UMDさんは、

休憩に行きませんでした。

 

そして、

件の患者は、

結局IABPを留置することができず、

準夜の最後に、

手術室で留置を行うことが決定しました。

 

勤務の最後に、

手術出しを行って、

その勤務が終了しました。

 

私は、

UMDさんに、

UMDさんが休憩に行けなかったことについて、

お詫びをしました。

 

UMDさんは、

 

「いいよ・・・」

 

と、

笑顔で返してくれました。

 

そうすると、

確かその時フリーをしていた看護師(確かMDU)に、

UMDさんの居ないところで、

このように言われました。

 

UMDさん休憩行ってないやん。なんで行くように言わんかったん?」

 

「は?」

 

上記の通り、

私から言える立場にありません。

 

UMDさんは、

行かないほうがいいと判断したから、

行かなかったのです。

 

行けると思ったら、

自ら行っていたはずです。

 

それなら、

MDU自身、

救急外来も救急重症病棟の経験も豊富なのだから、

 

UMDさん私が代わるから休憩行ってください」

 

と言うべきではないか。

 

それか、

いくらUMDさんがMDUより先輩だとしても、

 

UMDさん休憩行かないとだめです」

 

とでも言うべきです。

 

私の師匠FKSMさんなら、

例え先輩にでも、

間違っていることはちゃんと注意していました。

 

そのエピソードがあるので、

また後日話します。

 

UMDさんは、

前述のように、

優しい人なので、

MDUに自分の代わりを依頼することも、

できなかったのだと思います。

 

これが、

片山だったら、

 

「あんたこれやり」

 

とでも言って、

 

「依頼」

 

ではなく、

 

「命令」

 

していたと思います。

 

実際、

看護師としても人としても先輩の私に、

こんな口調で命令しましたから。

なんでお前が仕切るねん!/今日のリーダーはワシじゃ!・片山 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

第一、

当時のこの病院は

 

「3交代勤務」

 

で、

前述の通り、

準夜勤は16時15分~0時15分の

 

「8時間」

 

です。

 

例え、

 

「休憩が取れなかったところで・・・」

 

という勤務時間なのです。

 

近畿中央病院など、

 

「2交代勤務」

 

で、

夜勤(17時~翌9時)において年に数回は、

 

「食事休憩(30分)も仮眠休憩(2時間)も取れない」

 

ことがありました。

 

しかも、

当時の病院は、

超過勤務がほぼない病院だったので、

定時に帰れます。

 

近畿中央病院の場合は、

上記に加え、

9時以降10時頃まで、

超過勤務をして、

残務を行います。

 

もちろん、

休憩を取れなかった分や、

9時以降の分は、

 

「超過勤務」

 

として申請して、

お金はもらえます。

 

しかし、

お金よりも、

休憩時間がほしいのです。

 

これのどこが、

 

「医療スタッフにとってやさしい病院」

 

なのか、

甚だ疑問です。

近畿中央病院 (kich.itami.hyogo.jp)

 

典型的な、

いや悪質な、

 

「ブラック病院」

 

です。

 

話は逸れましたが、

とにかく、

MDUは、

経験が浅く立場の弱い私を怒るのではなく、

注意するのであれば、

UMDさんに対してです。

 

その前に、

自分がUMDさんと交代して、

UMDさんを休憩に行かせるべきです。

 

以上、

私が、

理不尽に怒られた話でした。