看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

私の看護師の師匠・FKSMさんのカッコイイ話

新年1発目の投稿です。

 

今日のお話は、

前々々回投稿の

 

「理不尽に怒られた話」

 

の中で少し触れた、

私の看護師の師匠のひとりである、

FKSMさんの、

カッコイイエピソードについて、

話したいと思います。

私の看護師の師匠・FKSMさん - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

新年1発目にふさわしい話です。

 

ある日、

私は最初に働いた病院の救命救急センターで、

日勤をしていました。

 

「フリー」

 

業務についていたので、

看護師として4年目以降、

救命救急センターに来て3年目以降のことです。

 

フリー業務につく看護師は、

それぞれのセクション(救急一般病棟・救急重症病棟・救急外来)の補助、

ならびにメッセンジャー業務を中心とした、

ヘルパー業務

を行っていました。

 

私が、

救命救急センターに来た当時は、

ヘルパーが配置されていました。

 

患者のケアには関わらず、

メッセンジャー業務が、

主な仕事でした。

 

しかし、

コスト削減のため、

人員を削減するにあたり、

救急救急センターから、

ヘルパーが引き揚げられてしまったのです。

 

その際、

看護部からの説明は、

 

救命救急センターは人(看護師)がいっぱい居るから」

 

という、

理解不能のものでした。

 

実際の現場を知らない、

 

「机上の空論」

 

以外の何ものでもありません。

 

結局、

救命救急センターに配置されていたヘルパーは、

他の部署に持っていかれました。

 

その結果、

ヘルパーの代わりとして、

フリー看護師が創設されたのです。

 

看護師なので、

ヘルパー業務以外に、

各セクションの看護師の補助も、

その仕事内容に加えられました。

 

具体的には、

ヘルパー業務としては、

メッセンジャー業務とベッドメイキング。

 

看護業務としては、

患者の清潔ケアや処置の補助、

そして救急外来の応援。

 

ある意味、

リーダー看護師や受け持ち(メンバー)看護師よりも、

大変でした。

 

通常であれば、

朝の申し送りが終わると、

まず重症病棟の患者のケアを行います。

 

その後、

今度は一般病棟の患者のケア。

 

救命救急センターでは、

その特殊性から、

転棟(病棟を変わる)・転院(他の病院に移る)・退院が、

毎日多くあるので、

患者のケアが終わる頃には、

多量のベッドメイキングが待っています。

 

それが終わると、

メッセンジャー業務を行います。

 

あとは、

日勤の救急外来担当の看護師はひとりだけなので、

救急外来がたてこんでいる時は、

その手伝いをしたり、

昼頃に患者が来ていて、

休憩が取れない時に、

交代します。

 

決まっているのはこれぐらいで、

あとは基本的に、

一般病棟・重症病棟の各リーダーの指示に従って、

動くことになります。

 

この日、

重症病棟のリーダーが誰だったか忘れましたが、

一般病棟のリーダーは、

 

児玉

 

という人でした。

 

この人、

実は私が新人の時、

成人精神神経科で、

少しだけ一緒に働いたことがありました。

 

私が、

精神科に配属された時、

児玉は妊婦で、

その後産休そして育休に入ったので、

一緒に働いた期間は、

長くはありませんでした。

 

その時の印象は、

 

キツい人

 

でした。

 

我々新人にも、

思ったことは、

その正否問わず、

ズバズバ言う人。

 

はっきり言って、

 

怖かった

 

です。

 

育休が明けて復帰したのが、

救命救急センターだったのです。

 

ここが、

近畿中央病院と違うところです。

 

規模の違い(その病院は近畿中央病院の約2.5倍の規模)もありますが、

一部の例外を除き、

近畿中央病院では、

基本的に元の部署に復帰します。

 

復帰したあとの児玉は、

精神科時代に比べて、

 

ややまるくなった

 

印象でした。

 

それは、

出産に伴うことではなく、

救命救急センターという、

初めて経験する特殊な部署ということと、

知り合いが私しかいなかったことによると思います。

 

その日、

午前中は、

前述のように、

ほぼ決まった通りの業務を、

私はこなしていました。

 

午後になって、

雲行きが怪しくなってきました。

 

救命救急センター一般病棟に入院していた、

とある患者の状態が、

悪化しつつあったのです。

 

脳神経外科の患者で、

午前中ははっきりしていた意識が、

徐々に混濁し始め、

ついには反応をしなくなったのです。

 

明らかな、

病状の進行です。

 

CT撮影のためのベッド搬送が、

私に依頼されました。

 

本来なら、

受け持ちが行うのですが、

手が離せなかったようで、

私に依頼されたのです。

 

この時の、

当該患者の受け持ち看護師は、

NKYMさんという人でした。

 

私よりあとに、

救命救急センターに異動してきた人で、

私よりだいぶ年上で、

穏やかな人でした。

 

この少しあとに、

主任に昇格しました。

 

医師数名とともに、

救命救急センター内にあるCT室に向かいました。

 

そして撮影すると・・・

 

私でもはっきりわかるぐらいの脳内出血が!

 

※脳内出血のCT画像(参考)

 

範囲も、

結構広かったと思います。

 

緊急手術を行うことになり、

そのまま救急外来に運んで、

気管内挿管やCVルートの挿入など、

必要な処置が行われることになりました。

 

私は、

その旨を一般病棟のリーダー・児玉に報告しました。

 

本来なら、

この処置も、

受け持ちであるNKYMさんがつくのですが、

児玉からの指示は、

引き続き私につくようにとのことでした。

 

私には、

フリー看護師としての他の仕事があったのですが、

リーダーからの指示だったので、

それに従いました。

 

そして、

その旨を、

何らかの方法で重症病棟のリーダーにも伝え、

了承を得ました。

 

処置中、

NKYMさんは、

1度だけ様子を見に来ましたが、

処置を代わることはありませんでした。

 

何度も言いますが、

 

受け持ち患者の処置は受け持ち看護師がつく

 

のが基本です。

 

そうこうしているうちに、

重症病棟のリーダーから、

 

「フリー業務をちゃんとやってほしい」

 

との依頼が入りました。

 

それは、

当然のことです。

 

するととある医師が、

 

「ここはしばらく大丈夫やから行ってこい。必要やったら(他の看護師を)呼ぶから」

 

と言ってくれたので、

必要ならNKYMさんを呼ぶように依頼して、

私はその場を離れ、

フリー業務に戻りました。

 

フリー業務に戻るということは、

一般病棟にも行き、

児玉にもその旨報告するので、

児玉がNKYMさんに救急外来に行くよう采配すると思っていました。

 

しかし、

そうはならなかったのです。

 

私自身も、

自分が処置についた患者のことは、

やはり気になります。

 

フリー業務がひと段落したあと、

救急外来に向かいました。

 

するとそこには、

患者の姿はありませんでした。

 

どうやら、

手術室に向かったようです。

 

手術室に行くには、

看護師の申し送りが必要です。

 

受け持ち患者の処置は受け持ち看護師がつく

 

の基本から、

当然NKYMさんがしたものと思っていました。

 

すると、

救急外来の準夜に入ったばかりの、

この時登場したSSKさんという准看護師から、

 

「自分が行った」

 

と、

散々な注意を受けました。

准看護師でも優秀な方はもちろん居ます - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

あとから考えると、

SSKさんは、

私が受け持ちだと勘違いしていた節はありますが、

とにかく一旦謝りました。

 

そして、

そのあと一般病棟に行くと、

今度は児玉から激しい𠮟責を受けたのです。

 

「救急外来のしかも準夜に入ったばかりのSSKさんに手術出しをさせるとは何事だ」

 

と。

 

私は、

 

「受け持ちのことは受け持ちがするものだ」

 

と反論しましたが、

児玉は一切聞く耳を持ちません。

 

その時、

一般病棟に居た看護師は、

たしか児玉がリーダーをしていたぐらいなので、

児玉よりあとに救命救急センターに来たか、

児玉より後輩の看護師ばかりだったので、

助け舟を出してはくれませんでした。

 

私は、

児玉より先に救命救急センターに来てはいましたが、

看護師としては児玉より後輩なので、

理不尽ながら謝りました。

 

さらに児玉は、

 

「救急外来で使った物品・薬剤のコストを取れ」

 

とも言いました。

 

これも、

 

本来は受け持ちがすること

 

です。

 

すると、

その様子を見ていた、

この時登場したIHR医師が、

 

「俺がするから言って」

 

と言ってくれて、

オーダーリングシステムから、

コストを取る入力をしてくれました。

型通りのことしかできない看護師/応用の利かない看護師・OKMT - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

本当に、

このIHR医師には、

救命救急センター在籍時には、

何かとお世話になり、

いまだに感謝しています。

 

この日は、

これで終わったのですが、

後日我が師匠FKSMさんと一緒に勤務になった時、

このように言われました。

 

「児玉さんにはちゃんと言っておいたから。(私の名前)君は悪くない」

 

児玉本人からか他から聞いたのかはわかりませんが、

この一件を耳にして、

児玉本人に確かめたようです。

 

それで、

私には非がないことがわかり、

逆に児玉に意見したそうです。

 

さすが我が師匠FKSMさん!

 

児玉は、

FKSMさんより年上でしたが、

間違っていることは間違っていると、

先輩にも臆せず言うところは、

 

本当にカッコイイし尊敬

 

できます。

 

私が、

看護部長(藤井四美枝・前田正美)であろうが、

看護師長(HYSD)であろうが、

間違っていることに対して意見したのは、

このFKSMさんの影響があったからです。

 

その後、

児玉からの謝罪は、

一切ありませんでした。

 

また、

NKYMさんからも。

 

ワシ、

 

お前のせいで理不尽に怒られたんやからな!

 

児玉が怒るべきは、

受け持ち患者の処置・手術出しに関わらなかったNKYMさんで、

そういう指示を出さなかったリーダーの児玉こそ、

いちばん非難されてしかるべきなのです。

 

看護師には、

自分の非を認めることができる人が、

少なすぎます。

 

そして、

先輩・年上に忖度する人が、

多すぎます。

 

以上、

我が師匠FKSMさんの、

カッコイイ話でした。

 

【余談】

その後児玉は、

私の居る重症病棟のセクションに異動してきましたが、

私がバリバリ仕事をしているのを見てか、

私に対して強気な言動をしなくなりました。