久々に、
この人の話題を。
医師の重本は、
普段はいいのですが、
機嫌が悪くなると、
手が付けられなくなることを、
今までに何度か話してきました。
今回も、
そんな話です。
救命救急センターでは、
所属する看護師の全員が、
何かしらの看護研究を行うことが、
求められていました。
それは、
個人であっても、
グループであっても可でした。
この人も、
久々の登場ですが、
寺地氏のグループが、
口腔ケアに関する研究を、
行うことになりました。
基本的には、
グループのメンバーが、
実践をするのですが、
勤務の都合で、
出来ないこともあります。
その場合は、
メンバー外の看護師、
つまり、
私を含めた者も、
行わなければなりません。
ですから、
自分が行っている研究以外のことも、
やらなければならないので、
大変でした。
入院する患者に対して行うのですから、
もちろん医師対しても、
説明を行い、
許可を得ます。
ちょうど、
その研究のリーダーである寺地氏が、
重本に対して、
説明を行っているところに、
私は居ました。
その時、
重本は機嫌が良かったらしく、
「うん、いいよ」
と、
許可を出しました。
かくして、
研究はすすめられていきました。
私も、
研究メンバーが居ない時に、
決められた通りのことを行い、
協力しました。
そんなある日、
誰がしたのかは忘れましたが、
決められた通りのことを、
行いませんでした。
この研究は、
口腔ケアに関することでしたが、
たしか、
従来の方法(イソジンガーグルを使用)と、
新たな方法(方法は忘れました)との、
比較検討だったと思います。
その、
いずれかを行わなかったのです。
その様子を、
近くで聞いていた重本が、
口を挟んできました。
「ぶち壊しじゃないか!」
いやいや・・・
その患者が、
研究対象から除外される可能性があるだけで、
別に研究自体が終了になるわけではありません。
そんなことは、
寺地氏を中心とした、
研究メンバーが考えることで、
重本に口出しされる筋合いはありません。
看護師が行っていることに、
医師が口出しするのは、
越権行為以外の、
何ものでもありません。
この時、
重本は、
何が理由かは知りませんし、
興味もありませんが、
機嫌が悪かったのです。
前にも話したように、
重本は、
機嫌が悪くなると、
難癖をつける、
悪いところがありました。
この時も、
この件以外にも、
難癖をつけまくっていて、
他の医師ならびに看護師も、
辟易していました。
だから、
この件が発覚した時も、
「きっと何か言ってくるだろう」
と思っていました。
そうしたら、
案の定・・・
重本の件を話す時、
いつも言うのですが、
いい大人なのですから、
感情を仕事に持ち込むのは、
いかがなものかと思います。
重本は、
子供の頃から優秀で、
医師になってからも、
「自分は他の者とは違う」
と、
他人を見下している部分がありました。
それが、
あることを機会として、
だいぶマシになったそうですが、
それでも、
何かの機会に、
こういう悪い部分が、
顔を出しました。
ということは、
その出来事がなければ、
もっと酷かったのかもしれません。
私は、
重本が、
医師として優秀であることは認めます。
しかし、
だからと言って、
何を言っても、
何をしてもいいわけではありません。
いい大人なのですから。
結局、
どこかで、
他人を見下していて、
自分が一番優秀だという自負が、
まだあったのだと思います。
尊敬をされたり、
信頼をされたければ、
医師として優秀なだけでなく、
人間性も優れていることが、
求められます。
それは、
医師だけでなく、
どんな職種においても、
前項で話した、
山本五十六然り。
「上司の鏡」然り。
何なら、
多少仕事が優秀でなくても、
人間性が良ければ、
許される場合もあります。
人間、
自己研鑽を行うことは大事ですが、
自分が一番優秀だと思った時点で、
終わりだと思います。