看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

私がプリセプターをした新人看護師①INUE Vol.1

この時話した、

新人看護師MSさんは、

先輩看護師としてかかわっただけで、

プリセプターとして、

指導にあたったわけではありません。

理不尽に辞めていった子たちへのレクイエム/今でも忘れられない新人看護師MSさん - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

プリセプター制度 | 済生会栗橋病院|ナース (saikuri.org)

 

しかし、

この時にも書いたように、

今でも一番忘れられない新人看護師です。

 

一緒に働いたのは、

半年少々でしたが、

辞める間際は、

勤務にも出てこなくなって、

そして辞めることだけが伝えられました。

 

これが、

ちゃんとした区切りというか、

本人を目の前にして、

きちんと送りだすことが出来ていたら、

もっと違っていたと思います。

 

だからこそ、

最後に1度だけでいいから、

会ってみたいと思っています。

 

でも、

私からそれを求めてしまうと、

また彼女は、

私から離れて行ってしまうでしょう。

 

今は、

SNSを通じてのつながりのみですが、

「理不尽に・・・」で書いたように、

彼女は1度私から離れてしまいました。

 

もう2度と、

「永遠の妹」を、

失いたくないのです。

 

前置きが長くなりました。

 

それでは本題。

 

私は、

プリセプターとして新人を指導したことが、

今までに4回あります。

 

上に示した資料の病院では、

5年目以上の看護師が、

プリセプターとして指導するとなっていますが、

最初に働いた病院と転勤した病院は4年目以上、

近畿中央病院は3年目以上が、

その任についていました。

 

これは、

私が4年目の時に、

最初にプリセプターをした時の新人の話です。

 

4回プリセプターをした中で、

こいつが一番キャラクターが濃かったので、

別の意味で忘れられませんが、

またある意味で忘れたい新人でもあります。

 

このINUE、

地方出身で、

最初地元の看護学校に入ったけど、

先生と反りが合わず、

そこを辞めて他県の短大に入り直したそうです。

 

そのエピソードだけ聞いても、

この人物が一風変わっているのが、

わかると思います。

 

まずびっくりしたのは、

私よりも先輩の看護師に注意されて、

反論するところです。

 

しかも、

 

「・・・もん」

 

と、

タメ口でした。

 

先輩が間違っているのならまだしも、

INUEのほうが明らかに間違っているのです。

 

私でも、

まだ反論できない年数だったのに、

大した度胸だと思いました。

 

しかし、

そのとばっちりは、

あとですべて私に来て、

尻拭いは大変でした。

 

私は、

私の救命救急センター一般病棟でのプリセプターFKSMさんの教えを守り、

自分が先輩から受けた嫌なことを、

後輩には絶対にしないスタンスで、

指導にあたっていました。

 

それは、

今でも守っています。

 

しかしINUEは、

私が指導したことよりも、

もっと先輩の言動を真似ていました。

 

その先輩とは、

仕事はできるかもしれないけれど、

救命救急センターの古参で、

古いやり方・考え方を継承している人物たちです。

 

FKSMさんも私も、

そういう古い体質を変えていこうと、

指導にあたっていたけど、

このINUEが、

その努力を無駄にしました。

 

その3年後に、

INUEがプリセプターになった時、

新人を指導している姿を見たら、

 

「ワシ、そんな教え方してないぞ」

 

ということばかりしていました。

 

要は、

私の指導をまったく無視して、

私よりも先輩の言動を、

自分のものにしてしまったのです。

 

良いことは、

どんどん取り入れたらいいのですが、

彼女が取り入れたのは、

先輩たちの悪いところばかりでした。

 

このINUEには、

ARKさんという同期が居ました。

 

INUEは救命救急センターの重症病棟、

ARKさんは一般病棟に配属されました。

 

2人は、

同期ということもあって、

一見仲良さそうにしていましたが、

実際はそうでもなさそうでした。

 

INUEは公立短大、

一方のARKさんは国立4年制大学出身。

 

INUEがARKさんに対して、

一方的に対抗心を燃やしていたのです。

 

しかし、

INUEが一般病棟に、

ARKさんが重症病棟に異動になって、

私がARKさんと夜勤をした時に、

彼女はこう言いました。

 

「(私の名前)さん、INUE(実際にはINUEの下の名前)が、何事に対しても敵対心を持っているんですけど、私は何とも思ってないんです。どうしたらいいですか?」

 

この言葉からもわかるように、

ARKさんのほうが、

人間として何枚も上手だったのです。

 

私は、

安心しました。

 

そしてARKさんには、

INUEをまともに相手にせず、

それまで通りに上手くあしらうように、

アドバイスしました。

 

本来なら、

教え子のINUEの肩を持つべきでしょうが、

この時の彼女は、

私ではもう手が付けられないぐらい、

調子に乗っていたのです。

 

やんわりとは、

対抗心を燃やさないようにいってみましたが、

まったく聞く耳を持ちませんでした。

 

しかし、

INUEのARKさんに対する競争心は、

ことごとく空回りします。

 

前にも話したように、

看護師は、

どんな養成所を出ていようと、

もらえる免許はみな同じなのです。

Q:看護師に学歴は関係ありますか? A:ありません・・・が、しかし! - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

INUEには、

ARKさんに対する「学歴コンプレックス」があったのでしょうが、

そんなことはひとりよがりであって、

仕事をする上では、

不要なものです。

「私は最高の看護を提供しています」/学歴・経歴コンプレックスの産物 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

無駄に張り合う労力・時間があるのなら、

もっと別のことに使うべきです。

 

しかも、

お互いが、

ライバル心をむき出しにしているのならまだしも、

ARKさんは、

相手にしていないのですから。

 

滑稽というほかありません。

 

逆にINUEは、

自分の価値を下げていったと思います。

 

INUEがこうなったのは、

彼女の元々の性格もあったのでしょうけど、

一番の問題は上司にあります。

 

4年制大学出身者が増えつつあったこの頃、

看護部首脳が、

事あるごとに、

 

「これからはあなたたちの時代よ」

 

と、

4年制大学出身者を持ち上げていたのです。

 

あんたら、

その3年前には、

短大出身の私に向かって、

同じことを言っていたではないか。

 

私の時代が来る前に、

次の時代が来てしまったわけです。

 

そんな、

上層部の言葉に、

INUEは反発したのでしょうが、

そんなこと気にせずに、

自分らしく居るほうが、

私は大切な気がします。

 

人の成長は、

人それぞれです。

 

前にも言いましたが、

患者の個性を重んじろという割には、

看護師には画一化を求めます。

 

自分たちが設定した「型」に、

なかば無理やり当てはめようとするのです。

 

おおいなる矛盾です。

 

長くなったので、

続きは次項とさせていただきます。