看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

中途半端な看護研究/忘れないうちに語る

昨日アップした時に、

 

「別の機会に話します」

「後日話す」

 

と言ったことについて、

話したいと思います。

茶番が多い看護師の世界 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

このブログでも、

今まで何度も述べている通り、

私が正職員として勤務した病院では、

採用2年目に、

看護研究をすることになっています。

 

本来ならば、

新人で1年働いて、

その病棟の特色などを知った上で、

2年目に看護研究をすることに、

意味があります。

 

私の場合は、

1年目成人精神科で、

2年目に、

就職する際に提出した希望が通って、

救命救急センターに異動しました。

 

こういう、

特殊事情があったので、

2年目看護研究を、

翌年に順延するよう要望したのですが、

 

「2年目看護研究だから、2年目にやりなさい」

 

との理由で、

却下されました。

 

ですから、

実質、

 

「1年目」

 

で、

看護研究をする結果になりました。

 

そのため、

自分でも納得のいかないことしか、

できませんでした。

 

私の時は、

患者をひとり挙げて、

その人に対して、

何かしらを行う研究が大半でした。

 

事例検討とは、

多少違い、

その患者に、

例えば目新しいマウスケアを施して、

従来のやり方との効果を、

比較検討するというように。

 

しかし、

私が最初に教えた新人看護師INUEが、

2年目になる頃は、

多くの患者を対象とした統計的なものとか、

その時流行った、

患者やその家族の、

危機管理についてのものが、

主流になっていました。

 

「危機」とは、

生命の危機はもちろんのこと、

先行きの不安による精神的な危機など、

様々な「危機」を指します。

 

INUEは、

統計的なことをして、

同期のARKさんは、

危機管理についての研究をしました。

 

結果は、

以前話した通りです。

私がプリセプターをした新人看護師①INUE Vol.2 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

その、

2人の研究発表を聞くために、

私も参加しました。

 

たぶん、

その時だと思うのですが、

手術室の2年目の看護師が、

こんなテーマの発表をしたのです。

 

「手術を受ける患者の不安を表出する」

 

1人だけではなく、

数人の手術を受ける患者の不安を、

表出するというものでした。

 

発表では、

 

「この患者は、こういう不安を話したので、こうすればよかったと思います」

 

と言っていました。

 

これ、

どう思いますか?

 

私は、

題目を聞いた時から、

疑問を感じていました。

 

実際の発表を聞いて、

それは確信に変わりました。

 

せっかく、

患者の不安を表出したのであれば、

それを解決または軽減してこそ、

看護研究ではないですか?

 

そのあたりの、

研究者の意図を知りたくて、

私は、

 

「サクラ」

 

ではありませんでしたが、

質疑応答の時に、

質問をしたのです。

 

すると彼女は、

 

「今回は、表出するのが目的の研究なので・・・」

 

と、

しどろもどろの、

的を射ない回答しか、

できませんでした。

 

もし、

不安を表出する手法が、

目新しいこと、

例えば、

心理学の新しい手法を使ったということであれば、

彼女の研究は、

良いものであったと思います。

 

しかし、

そんな手法は、

一切使っていません。

 

それなら、

対象を1人に絞って、

解決または軽減をはかるよう、

かかわったほうが、

良かったのではないかと思います。

 

確かに、

手術室は、

特殊な環境で、

手術前日に入院して、

翌日手術・・・ということが、

多々あります。

 

手術前に、

かかわれる時間が少ないので、

解決・軽減をはかることは、

難しいのです。

 

それなら、

そういうまとめ方をすればいいのですが、

そんなこともしませんでした。

 

私が、

以上に書いたようなことは、

手術室の先輩看護師(看護研究の指導者)が、

私の質問に対して答え、

発表者をフォローしました。

 

しかし、

それは本来、

発表者本人が、

答えるべきことだと思います。

 

たぶん、

 

「サクラ」

 

しか、

質問しないと思って、

 

「想定問答」

 

とか、

していなかったのでしょう。

 

私も、

自分の時には、

想定問答はしませんでした。

 

それは、

どんな質問が来ても、

その場で答える自信があったからです。

 

ちなみに、

INUEにも、

しませんでした。

 

それは、

以前話したように、

INUEにムカついていたからです。

 

確か、

 

「サクラ」

 

以外から、

キツい質問があったのですが、

もちろん本人に答えられるはずもなく、

私が助け舟を出しました。

 

私が、

最初に働いた病院は、

2年目以上は、

毎年何かしらの看護研究をするよう、

看護部から言われていました。

 

「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」

 

的な発想だったのかもしれませんが、

その当時から、

看護研究に目新しいものはなかったので、

数打ったところで、

 

「当たり」

 

は、

そうそう出なかったと思います。

 

自主的にやるのならともかく、

強制では、

ロクなものができないのは、

目に見えています。

 

転勤で行ったところは、

1部署に1つ、

 

「看護研究チーム」

 

というものがあって、

そのメンバーと、

2年目の看護師しか、

研究をやらなくてよかったので、

楽でした。

 

近畿中央病院の良いところは、

研究を強制しないところです。

 

その代わり、

 

「事例検討」

 

を奨励していました。

 

もう、

20年近く前に、

研究のネタが切れているのですから、

事例検討のほうが、

やりやすいのです。

 

私のように、

文章力に自信があれば、

まとめ方によって、

どうにでもなるのです。

 

でも私は、

近畿中央病院在籍時に、

あまりやりませんでした。

 

やることに、

意味を感じなかったからです。

 

実際やっても、

それが何かの形になって、

自分にかえってこなかったからです。

 

要は、

 

「あなたのためになるのよ」

 

と言われてやったところで、

 

「私のため」

 

には、

全然ならないということです。

 

これも、

近畿中央病院お得意の、

 

「やってます」

 

感を出しているに、

過ぎないのです。

 

以上、

看護研究をするのであれば、

患者の困っていることを、

解決することを行うべきです。

 

統計的なことをやって、

 

「有意差がありました」

 

などと言っているようでは、

それは看護師がやる研究ではなく、

統計学者がやる研究です。

 

あ!

 

ひとつ思い出しました。

 

統計的な研究が流行った頃、

研究発表で、

こういうツッコミをする奴が居ました。

 

カイ二乗検定はしたのかしら?」

「t検定はかけたのかしら?」

 

あ・ほ・か!

 

お前は、

統計学の何がわかっとるんじゃ!

 

学のない奴に限って、

 

「バカのひとつ覚え」

 

のように、

こんなことを言うのです。

 

そりゃ、

実際の数字だけで、

有意差が微妙な場合は、

検定にかけるのもいいと思います。

 

しかし、

結果が明らかな場合は、

そんな必要はありません。

 

これを言われたのは、

私ではありませんが、

そんなツッコミをされて、

小さくなっている人を見ると、

かわいそうになります。

 

理不尽な、

ツッコミをされているのですから。

 

もっと腹が立つのが、

そんなツッコミをした奴の、

勝ち誇った顔です。

 

お前は、

統計学学んだのか?

 

ちなみに私は、

大学で、

統計学の単位を取っています。

 

ですから、

この件に関しても、

文句は言わせません。

 

もし私が、

そんなツッコミをされたら、

 

「私は看護師であって、統計学者ではありません」

 

と言います。

 

最近の、

看護研究を見ていると、

検定の話は、

あまり出てこないように思います。

 

たぶん、

 

「流行りのもの」

 

だったので、

廃れたのかもしれません。

 

検定を用いた評価ををした、

統計的な研究の場合、

 

「ここでt検定をかけて」

 

とか、

 

「ここでカイ二乗検定を」

 

とか、

とにかく、

 

「検定」

 

という言葉だけが耳に残って、

内容が入ってこないのです。

 

そんな看護研究、

意味があると思いますか?