看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

守られていない禁煙/意味のない「機能評価」

以前に、

喫煙について話したことがあります。

たまには普通の話/やはり喫煙は避けるべき - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

私は、

人生で一度も喫煙をしたことがありませんし、

したいと思ったこともありません。

 

看護師は、

元ヤンが多いせいか、

ストレスが多い仕事だからか、

はたまたその両方だからか、

私が働き始めた頃は、

喫煙者が多数居ました。

 

最初に働いた病院も、

表向きは、

 

「全館禁煙」

 

を謳っていましたが、

各部署の休憩室で、

煙草を吸うことができました。

 

最初に配属された、

成人精神神経科は、

男性看護師が多かったせいか、

喫煙者のほうが多かったように思います。

 

救命救急センターでも、

休憩室で吸っていましたが、

空気清浄機を設置して、

その前で吸うようになっていました。

 

喫煙スペースの掃除は、

喫煙者だけでお金を出し合って、

持ち回りで行うなど、

非喫煙者に迷惑がかからないように、

配慮されていました。

 

昔だから、

できたことだと思います。

 

本当は、

ダメなんですけどね。

 

転勤した病院は、

新築だったこともあり、

喫煙に関しては、

厳しめでした。

 

1階の、

夜間休日出入口を出たところでした、

喫煙できなかったはずです。

 

2018年7月に成立して、

2019年7月1日より施行された、

 

健康増進法

 

の一部改正により、

医療機関の屋内は、

全面禁煙となりました。

 

禁煙の対象は、

 

「屋内」

 

のみであって、

屋外に喫煙スペースを設けて、

喫煙することは可能です。

 

近畿中央病院も、

それに従って、

1階非常口外に、

喫煙スペースを設けていました。

 

昼休みになると、

様々な職種の職員が、

ここに屯(たむろ)して、

煙草を吸っています。

 

法律上は、

これで問題はありません。

 

しかし、

問題となるのは、

次のことです。

 

近畿中央病院は、

公益財団法人・日本医療機能評価機構の、

病院機能評価を受けて、

認定を受けている病院です。

公益財団法人日本医療機能評価機構 (jcqhc.or.jp)

 

「病院機能評価 統合版評価項目 V6.0」v6.pdf (jcqhc.or.jp)

 

の、

 

「1-7 健康増進と環境」

 

の項目に、

 

「1-7-2 禁煙が徹底されている」

 

というものがあり、

 

「1-7-2-1 全館禁煙が遵守されている ①全館禁煙の方針が明確にされ、禁煙が徹底されている」

「1-7-2-2 患者ならびに職員の禁煙を積極的に推進している  ①患者や職員に対して、禁煙の啓発や教育を行っている」

 

と書かれています。

 

「1-7-2-1」に関しては、

時々職員に啓発があります。

 

しかし、

「1-7-2-2」は、

行われていないと思います。

 

前述の通り、

近畿中央病院は、

健康増進法」に則り、

屋内は全面禁煙とし、

屋外に喫煙スペースを設けています。

 

しかし、

機能評価の前になると、

このスペースすら、

一時的に撤去するのです。

 

「医療監視」

 

の時と同じ構図です。

意味のない「医療監視」 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

追加:意味のない「医療監視」 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

まあ、

機能評価のほうが、

数百万円単位のお金がかかっているし、

お金をかけて認定がとれなかったら意味がないので、

もっと切実でしょう。

 

しかし、

これで認定が通るとしたら、

 

「ザル」

 

というか、

日本医療機能評価機構は、

大したことがないと、

言わざるを得ませせん。

 

だってそうでしょう。

 

そんな小細工も、

見抜けないのですから。

 

いや、

もしかして、

日本医療機能評価機構も、

それぐらいのことは、

わかっているのかもしれません。

 

その上で認定しているとしたら、

もっとタチが悪いと思います。

 

そうなると、

 

「機能評価」

 

とは何なのか、

という話になります。

 

「1-7-2-2」

 

に関しては、

まずこれが行われていたら、

喫煙者時は減るはずです。

 

しかし、

減っている雰囲気はありません。

 

病院側が、

医師に対して、

そんなことが言えるはずがないのです。

 

医師は、

その病院が気に入らなければ、

プイっと辞めて、

他の病院に行ってしまいます。

 

それでも、

次の働き場所があるからです。

 

それは、

病院としては困るのです。

 

だから、

医師にはモノを言うことはできません。

 

でも、

それではダメなんじゃないでしょうか。

 

逆に、

 

「禁煙に従えないような医師は要りません」

 

と言うぐらいでないと、

ダメだと思います。

 

それで評価されてこそ、

機能評価を受けて認定されたことの、

意味があると思います。

 

煙草には、

リラックス効果があるから、

ストレスの多い医療現場では、

有用なのかもしれません。

 

しかし、

それ以外には、

何のメリットもありません。

 

逆に、

煙草がストレスを誘発している部分も、

あるのではないでしょうか。

 

第一、

肺がんや肺気腫など、

呼吸器疾患を誘発することは明白です。

 

医療者は、

患者に禁煙を指導する立場なのです。

 

その医療者が、

煙草を吸っていては、

説得力がまったくありません。

 

「私は吸ってるけどあなたはダメ」

 

では、

誰も聞き入れてくれません。

 

個人の自由だし、

自己責任ですけど、

医療者は、

禁煙するべきです。

 

患者についても、

こういう話があります。

 

肺がんの抗がん剤治療のため、

定期的に入院する男性がいました。

 

この患者は、

若干歩行がおぼつかないながらも、

日中何回もエレベーターで、

下に降りていきます。

 

そして、

そう長い時間かからずに、

戻ってきます。

 

そう、

外で煙草を吸っているのです。

 

その患者の主治医ではない若い医師が、

それを知って激怒していました。

 

「喫煙は抗がん剤の効力を弱めてしまうのに。意味がないじゃないか」

 

と。

 

しかも、

抗がん剤は高価なため、

 

「高額医療」

 

の対象となっています。

 

申請をすれば、

一定額以上、

お金を払う必要がないのです。

 

その補填分は、

我々の税金で賄われます。

 

なぜ、

人の勝手で煙草を吸って、

病気になって、

その治療費の一部を、

我々が払わなければならないのか。

 

「お互い様」

 

で済む話ではありません。

 

そもそも、

煙草を吸わなかったら、

肺がんにならなかったかもしれないのです。

 

なってしまったものはしかたないので、

せめて病気になった後は、

禁煙を徹底させるべきです。

 

これも、

現場の看護師任せにするのではなく、

病院として取り組むべきです。

 

さらに、

こういう話もあります。

 

患者とその家族には、

入院時に、

院内が全館禁煙であることを、

看護師は説明します。

 

それでも、

年間に何人かは、

トイレや中には病室で、

煙草を吸う輩が居ます。

 

そんなことをするのは、

男性ばかりです。

 

これは、

女性の喫煙者が少ないからか、

女性はコンプライアンスが良いからかはわかりませんが。

 

喫煙者の人は、

わからないみたいですが、

私を含めた非喫煙者は、

煙草のニオイに敏感です。

 

ですから、

すぐにわかってしまうのです。

 

中には、

それを指摘したら、

逆ギレして、

自己退院した患者も居ました。

 

そんな患者は、

出入り禁止にするべきだと思うのですが、

そうしないのが、

また近畿中央病院なのです。

 

とにかく、

基準を満たしていないのに、

認定してしまう、

公益財団法人・日本医療機能評価機構 は、

 

「クソ」

 

というほかないと思います。

 

ここが、

クソだと思う理由は、

他にもあるので、

それは後日話します。