喫煙は避けるべき。
それは、
特に最近では、
ごくごく当たり前の話です。
看護師をしていると、
それが本当に大切であると、
身に染みてわかることがあります。
私が、
呼吸器内科に在籍していた時、
2人の忘れられない患者が居ました。
ひとりは、
40歳台なかばの男性、
もうひとりは、
50歳台の女性でした。
2人に共通しているのは、
若い時、
しかも法律に触れる20歳未満の年齢で喫煙を始め、
若くして癌になり、
そして比較的若い年齢で、
亡くなったということです。
この2人の他にも、
20歳未満で喫煙を始めた人が、
肺癌になる確率が、
やはり高いように思います。
あと、
この2人に共通することとして、
状態があまり良くなくなってから、
私と話してくれるようになったということ。
男性についての、
エピソードを話します。
その患者Aさんは、
私より1つ年上、
つまり同年代の方でした。
元気なころは、
ぶっきらぼうな感じで、
あまり積極的に話すほうではありませんでした。
しかも、
私の所属していたチームと違うほうのチームの患者だったので、
あまり担当することがありませんでした。
しかし、
たまたま土日休日で、
受け持ちをしていた時、
Aさんが外泊中に調子が悪くなって、
病院に戻ってくる対応をしたことで、
最初のかかわりを持ちました。
その後も、
他チーム応援の時に、
受け持つことがあったのですが、
1人で動けるうちは、
いくら話を引き出そうとしても、
なかなか話してくれませんでした。
状態が悪くなると、
できるだけ個室を準備して、
家族とともに過ごせるように配慮します。
そうなってからは、
他チームの重症患者ということで、
あまり担当する機会はないはずなのですが、
そこは「主任への忖度」の影響で、
私が担当することが結構ありました。
部屋に行くと、
しんどくて息も絶え絶えなのに、
「何かスポーツしてたんか?」
「どんな食べ物が好きなんや?」など、
比較的元気な頃には、
聞かなかったようなことを聞いてくるようになりました。
なにより、
今までは、
自ら質問することがなかったのです。
どういう心境の変化か・・・。
やはり、
死への恐怖というものを感じてのことだったのでしょうか。
それとも、
前々から聞いてみたかったけど、
キャラクター的に聞けなかった。
でも、
死を目前にして、
素直になれたということか。
結局、
この方は亡くなられましたが、
やっぱり若いうちからの喫煙はダメだと思いました。
かといって、
20歳になって、
もしくは20歳をはるかに越してから、
喫煙を始めるというパターンは、
あまり聞きません。
やはり、
中高生(中には小学生)で、
興味本位で喫煙を始めるパターンが、
一番多いのかもしれません。
私は、
一度も喫煙したこともありませんし、
吸おうと思ったこともありません。
しかし、
看護師は、
ストレスから喫煙に走る人が多いと言います。
成人精神科と、
救命救急センターの頃は、
本当はダメでしたが、
休憩室で喫煙していたので、
誰が喫煙者かわかったのですが、
それ以降のところでは、
敷地内禁煙になっているので、
誰が喫煙者かわかりませんでした。
ですが、
煙草を吸いながら、
患者に禁煙を指導するというのは、
ちょっと矛盾していると思います。
かく言う私も、
看護師経験の中で、
糖尿病の患者に対して指導を行いながら、
自らがなってしまったので、
人のことは言えませんが・・・。
ただ、
今は家でも食事制限を守っていますし、
自らの体験を交えた、
より現実味のある指導ができると思います。
もう、
看護師はやりませんけどね。
ただ、
喫煙が一概にダメと言えない部分もあって、
長寿で亡くなった方や、
「今まで一度も病気をしたことがない」という人の中には、
結構なヘビースモーカーの人が居ます。
しかし、
そういう人は稀なケースなのでしょう。
世の中の20歳未満の人へ。
長生きをしたければ、
興味本位で喫煙をするのは、
ひかえたほうがいいと思います。
※女性のほうのエピソードは、
割愛させていただきます。