患者を見ず、看護師の意見に耳を傾けず、病気だけを診る女医・角安(仮名)
私は、
大学を卒業して最初に働いた病院から、
転勤で系列の病院に異動になったことは、
今まで幾度となく話してきました。
今回は、
その病院での話です。
ある日、
とある男性の患者を、
消化器内科に紹介受診させることになりました。
診察したのは、
角安(仮名)という女医でした。
当時アラフォーで、
噂には聞いていましたが、
あまり人間味の感じられない人物でした。
今もそうかもしれませんが、
この医師が医師になった頃は、
女医は数が少なく、
男性医師と対等にやっていくためには、
そうならざるを得なかったのだと思います。
そして角安は、
後日この患者に、
大腸ファイバーをするという指示を出しました。
私は、
その指示に難色を示しました。
この患者には認知症があり、
大腸ファイバーの前処置を行うのが、
困難なことが明らかだったからです。
大腸内視鏡検査の受け方|オリンパス おなかの健康ドットコム (onaka-kenko.com)
もちろん、
医師の指示ですから、
看護師は従わなければならないと、
私は思っています。
しかし、
病棟でその患者と多くかかわっている私には、
その患者と初対面の医師よりも、
その患者の情報を持ち合わせています。
ですから、
その情報を提供してた上で、
大腸ファイバーを行うことが、
難しいということを伝えたのです。
すると、
角安医師は、
「なんでですか?」
と、
逆に私に聞いてきました。
確かに、
認知症があるからといって、
出来ないとは限りません。
ただ、
病棟での様子から、
指示通りに前処置が行えるとは、
到底思えなかったのです。
大腸の様子をみるのは、
大腸ファイバーが一番良い方法であることも、
私は十分わかっています。
その上で、
言っているのですから。
もし、
前処置に、
看護師1人がつきっきりでやれば、
不可能ではないかもしれません。
しかし、
そんなことが、
現実的でないことは、
看護師ならわかると思います。
患者は、
この患者だけではないのです。
この患者に、
認知症があって、
指示が通らないことも、
もちろん説明しましたが、
角安医師は、
結局聞く耳を持たず、
私も了承するしかありませんでした。
そして、
大腸ファイバー当日。
私は、
受け持ちではありませんでした。
しかし、
気になっていたので、
様子をみていました。
すると、
私の予想は的中します。
まず、
前処置の下剤を、
決められたペースで飲んでくれません。
上に貼ったURLにあるように、
検査当日は、
2Lの水に溶解した下剤を、
決められたペースで飲む必要があります。
それが出来なければ、
話になりません。
そのことを、
角安医師に報告したのですが、
「何でですか?」
というだけで、
見に来ることもありませんでした。
つぎに、
下剤の服用によって、
便の性状が透明の液状になれば、
検査は可能になりますが、
勝手にトイレに行ってしまい、
しかも看護師が便の観察をする前に、
自分で流してしまいます。
下剤が飲めてないから、
便の性状が変わるわけがありませんし、
量的にも出るわけがありません。
それで、
再度指示を仰ぎました。
下剤の服用が無理なら、
浣腸でということになりました。
しかし、
この浣腸も一苦労です。
1回目は、
応じてくれましたが、
2回目以降は、
「なんでや?」
と、
拒否したのです。
そして午後になり、
検査に呼ばれました。
細かい点は、
施設によって違いますが、
普通は便の性状が、
検査可能な範囲になったのを確認してから、
呼び出されます。
結局、
便処置が不十分なまま、
検査に向かいました。
すると、
言ってすぐに、
迎えを呼ばれました。
私は、
嫌な予感がしました。
大腸ファイバーの際は、
患者の負担軽減のため、
鎮静薬を使います。
そのため、
迎えは、
車いすもしくはストレッチャーで行います。
この時は、
確かストレッチャーを指示されたので、
受け持ちの看護師と私で、
迎えに行きました。
検査室に着くと、
案の定検査ができなかったようでした。
便処置もさることながら、
大暴れだったらしいです。
検査したのは、
角安医師本人でした。
私は、
私の意見に耳を傾けなかった角安医師に、
聞こえるようにこう言いました。
「だから言ったじゃないか」
それに対し、
角安医師は無言でした。
看護師は、
病院の誰よりも、
患者の近くに居るのですから、
患者のことをわかっています。
角安医師は、
この患者の主治医から紹介されて、
診察したのですから、
この患者は初対面だったのです。
なので、
私が患者の情報を提供し、
総合的に判断して、
検査は難しいと、
助言をしたのです。
結局、
その助言は受け入れてもらえず、
検査は強行されました。
検査をしてみて、
やっと私の忠告が正しかったと、
わかったようです。
大腸の精査のためには、
大腸ファイバーがかなり有効であることは、
私も十分理解しているということは、
上でも述べています。
その上で、
難しいと言っているのですから、
それはよほどのことなのです。
看護師は、
極力医師の指示通りにしたいと思っていますが、
その気持ちを考慮しても、
無理だと判断したから、
そう助言したのです。
看護師が、
楽をしたいだとか、
手を抜きたいだとか、
そういうことではないのです。
努力をして、
無理をして、
それでうまくいったら、
それはそれでいいと思います。
しかし、
無理なのが目に見えていることは、
最初からやらないほうがいいと思います。
我々はいいですが、
一番負担を強いられるのは、
患者本人なのですから。
結局、
大腸ファイバーが無理なので、
別の方法で精査することになりました。
別の方法があるのなら、
最初からそうするべきだったと、
私は思います。
その患者に応じた方法が、
一番適した方法なのです。
何事も、
「押し売り」ではいけません。
では、
なぜ角安医師が、
大腸ファイバーにこだわったのか。
それは、
角安医師が、
大腸ファイバーに、
絶対的な自信を持っていたことにあります。
しかも、
その自信を背景に、
1件でも多くの検査を、
行いたかったのです。
確かに、
検査の腕は良かったようです。
それは認めます。
でも、
それと、
検査を強行することとは、
違うと思います。
この角安医師、
実は先述の重本と、
同期なのです。
「看護師の質が落ちている」/それに反論したのはあの人 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)
言うことに一貫性のない医師・重本 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)
2人とも、
研修医時代から優秀だったそうですが、
その分自分を「できる」と自覚していて、
指導医の言うことを聞かなかったことも、
あったそうです。
しかし、
本当に「できる」人は、
どんな関係の人の意見であろうと、
取り入れるべきものは取り入れて、
より良い方法を行っていく人です。
決して、
ひとりよがりであっては、
いけないと思います。