看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

時事ネタ・大口病院連続点滴中毒死事件/被告Kの裁判・求刑

以前話した、

この件の求刑公判が、

先日行われました。

時事ネタ・大口病院連続点滴中毒死事件/被告Kの裁判 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

検察側は、

もちろん死刑を求刑しました。

 

立件されたのは3名のみですが、

被告本人は、

 

「20名ぐらいやった」

 

と話しています。

 

立件できなかった分も含めると、

死刑判決が出ても、

致し方ないと思います。

 

本人も、

 

「死んで償いたい」

 

と話しています。

 

いちばん悪いのは、

もちろん被告本人です。

 

ここで、

前にこの件を話したことの訂正を。

 

情報が錯綜していたので、

私も勘違いしていたのですが、

被告がイジメられていたのは、

事実のようです。

 

しかし、

エプロンを切り刻んだり、

お茶に異物を混入させたのは、

被告本人のようです。

 

この事件の原因の、

1割ぐらいは、

そのイジメていた人にも、

あると思います。

 

ただ、

それを、

上記に書いたような方法で報復したのであれば、

それは間違っています。

 

「同じ穴の貉(ムジナ)」

 

なのです。

 

被告本人も言っているように、

そんな程度の低いことしかできない看護師の居るところは、

辞めるべきだったのです。

 

看護師免許があれば、

働き場所はいくらでもあります。

 

しかも、

患者が亡くなるのが嫌であれば、

前にも話したように、

クリニックで働くという手段もあります。

 

「戻れるなら、大口病院に就職する前に戻りたい」

 

とい言っているようですが、

就職先を間違えたと、

私も思います。

 

よりによって、

いちばん被告に向いていない職場を、

被告自らが選んでしまったのです。

 

同僚が、

どんな人なのかは、

働いてみないとわかりません。

 

しかし、

終末期医療をやっていることは、

事前にわかっていたはずです。

 

そこを避ける選択は、

できたはずなのです。

 

しかし、

ただでさえ、

仕事自体で精神的に追い詰められているのに、

その上同僚からイジメを受けていたとすれば、

いつ精神が破綻してもおかしくありません。

 

だから、

 

「辞める」

 

という、

正常な判断ができなかったのだと思います。

 

実際、

被告の精神鑑定をした精神科医が、

 

「事件当時、統合失調症を発症しつつあった」

 

と証言しています。

 

それに従い、

弁護側は、

 

「心身耗弱」

 

を主張しました。

 

判決公判は、

11月9日に行われますが、

求刑公判の時点で裁判官が、

 

「判決は後回しにして、判決理由を先に言う」

 

と言っています。

 

ここから推測されるのは、

 

求刑通り「死刑」

 

の場合か、

 

心身耗弱による「無罪」

 

かのどちらかの場合です。

 

しかし、

後者はないでしょう。

 

「心身喪失」

 

なら、

無罪もあり得るかもしれません。

 

例え、

この理由で無罪になったとしても、

まったくの、

 

「無罪放免」

 

ではありません。

 

昔は、

無罪放免でしたが、

今は、

指定された精神病院において、

長期間に及ぶ、

プログラムを受けることになります。

 

それを行わないと、

また同じことをする危険性があるからです。

 

結局、

プログラムさえ終了すれば、

社会に復帰することになるので、

遺族からすれば、

やりきれないことになります。

 

もしかして、

 

無期懲役

 

ぐらいの減刑はあるかもしれません。

 

6名殺害しても、

心身耗弱を理由に、

無期懲役になった判例があります。

 

私は、

死刑反対論者ではありません。

 

凶悪事件抑止のためには、

死刑は必要だと思います。

 

今回の事件で、

遺族は死刑を望んでいますし、

被告本人も望んでいます。

 

死刑は、

本来確定してから6ヶ月以内に、

法務大臣が執行命令書を出して、

執行することになっています。

 

しかし、

実際は、

平均で7~8年、

確定から執行までかかるようです。

 

中には、

何10年も、

未執行のまま、

拘置所に収監されている人も居ます。

 

その間に、

 

「反省を深めろ」

 

ということかもしれませんが、

執行されてしまえば、

それで終わりです。

 

無期懲役は、

以前は10~15年ぐらいで、

仮釈放が認められましたが、

今は、

有期刑の最高が30年になったことがあり、

最低でも30年は、

刑務所に入ることになります。

 

30年後に、

仮釈放の申請をしたとしても、

却下されたら、

次に審査を受けられるのは、

10年後になります。

 

つまり、

無期懲役は、

事実上の、

 

終身刑

 

となっているのです。

 

端的に話しますが、

死刑で一瞬で死んでしまうよりは、

30年以上自由を奪われて、

反省の日々を送るほうが、

被告にとっては、

辛いのではないでしょうか。

 

もし遺族が、

被告に辛い目にあってほしいのであれば、

私は無期懲役を望むべきだと思います。

 

1審で死刑判決が出れば弁護側が、

無罪・無期懲役ならば検察側が、

きっと控訴すると思います。

 

2審も同じ理由で、

最高裁判所に上告するでしょう。

 

前述の通り、

1審の判決公判は、

11月9日です。

 

今後も、

この裁判の行く末を、

見守りたいと思います。

 

そして、

何度も言いますが、

同僚には優しくしましょう。

 

注意するにしても、

 

「圧」

 

ではなく、

 

「愛」

 

を持って、

やってください。

 

同じような事件が、

2度と起こらないように。