看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

時事ネタ・大口病院連続点滴中毒死事件/YouTubeのコメント

本当は、

別の話題にするつもりでしたが、

急遽この話題に。

 

YouTubeの、

 

「懲役先生 〜聴く、犯罪情報バラエティー番組~」

 

というチャンネルの、

この事件を扱った動画に、

コメントをしました。

【横浜市点滴連続殺人事件】白衣切り裂きにカルテ紛失……管理体制がヤバすぎる【無期懲役】 - YouTube

 

「高評価」

 

が多数付く中、

こんな返信が届きました。

 

私のコメントと、

届いた返信、

それに対する私の返信を、

以下に示します。

f:id:express_habana:20211111034407p:plain

 

どう思われますか?

 

人の意見は自由だし、

意見は意見として、

承りました。

 

しかし、

私は元・看護師だと、

冒頭で言っているにもかかわらず、

 

「ド素人」

 

扱いしているところが、

許せません。

 

私は、

今までの自身の、

25年の看護師経験と、

知り合いの看護師の経験を総合して、

意見を述べているのです。

 

このK氏こそ、

看護師の事情を知らないで、

よく意見を言えたものだと思います。

 

私のことを、

 

「憶測でモノを言っているだけでは」

 

と、

非難していますが、

自分こそ、

憶測ではないか。

 

私と、

知り合いの経験が、

 

「薄っぺらい情報」

 

と言うのなら、

それは、

 

「誹謗中傷」

 

以外の何ものでもありません。

 

私は、

精神科も緩和ケアも経験しているので、

この事件の被告の心理が、

少しはわかるのです。

 

「わかる」=「理解できる」

 

ではありません。

 

事件そのものは、

絶対に許されないことであると、

理解しています。

 

その上で、

この件に触れているのです。

 

「問題の本質をはき違えている」

 

とも言っていますが、

それは、

この人本人だと思います。

 

被告のことを、

 

シリアルキラー

 

と表現していますが、

それは違うと思います。

シリアルキラー - Wikipedia

 

その一言で片づけられたら、

もっと楽なのかもしれません。

 

起きたことは、

もう元に戻せないので、

そこから教訓を得て、

今後同じようなことが、

2度と起こらないように、

する必要があります。

 

それは、

航空機事故の検証と同じです。

 

本来なら、

看護師における、

インシデントや医療事故の検証を、

例として挙げるべきところですが、

残念なことに、

看護師は、

教訓を活かすことができず、

また同じことを繰り返します。

 

単に、

 

シリアルキラー

 

で終わらせてしまったら、

きっとまた同じことが起きます。

 

私も、

藤崎悦子・片山賀波子・井上裕貴に、

いわれのない仕打ちをされた時は、

本当に心を病みました。

 

私も、

極端な話をすれば、

この被告のように、

なり得たのです。

 

幸い私は、

相談相手が居たのと、

被告のような思考にはならなかったので、

そこまで至ることはありませんでした。

 

しかし、

看護師に限らず、

この被告と同じように、

なり得ると思います。

 

K氏が、

 

「ストレスを抱えた看護師が、みんなこうなるのか」

 

的なことを言っていますが、

一般の人が考えるよりも、

看護師のストレスは、

かなり大きいものです。

 

それを、

このK氏は、

まったくわかっていないと思います。

 

これだけ、

憶測だけで、

見ず知らずの私にモノを言えたら、

そりゃストレスも溜まらないでしょうよ。

 

上記の3人も然り。

 

この3人が、

ストレスフリーな代わりに、

私を含めた他の看護師が、

大きなストレスを感じているのです。

 

理不尽な世の中です。

 

被告が、

 

シリアルキラー

 

であるとしたら、

この犯罪は、

知的レベルが高く、

自信家の犯行ということになります。

 

自己の欲求、

つまり、

 

「人を殺したい」

 

という欲求を満たすために、

犯行を行ったということになります。

 

でも、

それは違うでしょう。

 

彼女は、

患者が亡くなった時の、

説明から逃れたかったのです。

 

これを、

 

「自己の欲求」

 

というのなら、

該当するのかもしれませんが、

 

「満たす」

 

という表現は、

違うと思います。

 

立件は3人でしたが、

取り調べ段階では20人、

実際には、

40人ほどと言われています。

 

これが、

すぐ明るみにならなかったのは、

病院の体制が杜撰だとか、

いろいろなことが言われていますが、

一番の理由は、

終末期医療の病院だったからでしょう。

 

亡くなっても、

ある意味、

 

「仕方がない」

 

からです。

 

被告にすれば、

早かれ遅かれ亡くなるのであれば、

自分の勤務でないところで、

亡くなってもらいたい。

 

そうすれば、

説明をしなくて済む。

 

そういう、

単純な発想だったのではないでしょうか。

 

もちろん、

家族は、

1日でも長く生きてほしいでしょうし、

被告の考えには絶対反対です。

 

しかし、

心を病んでいる被告には、

正常な判断能力は、

なかったのだと思います。

 

それを増長させたのは、

最初やってみて、

それがバレなかったからでしょう。

 

いわゆる、

 

「成功体験」

 

です。

 

病院の体制が杜撰なおかげで、

被告がやったとバレなかったから、

エスカレートしたのだと思います。

 

ですから、

 

シリアルキラー

 

ではないのです。

 

彼女が、

 

シリアルキラー

 

であれば、

もっとうまく立ち回っていたはずです。

 

コメントのK氏は、

病状説明というものも、

わかっていないと思います。

 

主治医からの説明は、

定期的に行われます。

 

私の勤めた病院では、

病状説明には、

必ず看護師が同席します。

 

医師の説明には、

患者・家族は、

ほぼ黙って聞くだけです。

 

医師が、

 

「質問やわからなかったことはありませんか?」

 

と尋ねても、

だいたい、

 

「ありません。よくわかりました」

 

と答えます。

 

しかし、

医師が退席すると、

看護師にいろいろ聞いてきます。

 

「医師に聞けばいいのに」

 

と思うことも、

聞いてきます。

 

あまりにもひどいので、

再度医師を呼んで、

説明してもらったこともありました。

 

でも、

再度医師を呼んでも、

患者・家族は、

聞き辛そうにします。

 

なので、

看護師が代わりに尋ねることも、

多々あります。

 

要は、

医師に嫌われたくないから、

モノを言えないのです。

 

ですから、

患者・家族の理解度や、

本心を知るためにも、

病状説明に同席することは、

大切だと思います。

 

通常の病状説明は、

まだいいのです。

 

問題なのは、

やはり、

主治医の居ない夜間です。

 

終末期の患者は、

亡くなるであろうことは、

事前に説明されています。

 

ですから、

夜間に亡くなった場合、

当直医が死亡確認をするだけで、

特に説明はありません。

 

しかし、

問題になるのは、

家族が死に目に会えなかった時です。

 

一般の人は、

亡くなる前は、

徐々に心拍数が落ちて、

最後「0」になると思いがちです。

 

しかし、

私の経験では、

いきなり「0」を示したことも、

多々あります。

 

これがもし、

ターミナル期の患者ではなく、

DNARを取っていない患者であれば、

心肺蘇生をする必要があります。

※DNAR資料:guide_002.pdf (jfcr.or.jp)

 

逆に言えば、

ターミナル期の患者に対しては、

DNARを取っているので、

心肺蘇生の必要はありません。

 

ターミナル期の患者の場合、

通常より心拍数が落ちてきたら、

家族を呼ぶようにしています。

 

しかし、

現代の考えでは、

ターミナル期の患者には、

余計なものを付けないという考えもあるので、

そのような患者には、

心電図が付いていないこともあります。

 

そうなると、

亡くなるのがいつなくなるのか、

予測するのが、

さらに難しくなります。

 

いきなり、

心拍数が「0」になるなど、

予想だにできないし、

そうなると、

家族が、

死に目に間に合わないということになります。

 

私は、

説明をきちんとしているせいか、

死に目に間に合わなくて、

文句を言われたことは、

1度もありません。

 

中には、

DNARを取っているのに、

 

「なんで心臓マッサージをしてくれなかったんだ」

 

と言われた人も居ます。

 

先に述べたように、

DNARを取っている患者に、

心臓マッサージをしないのは、

当然のことです。

 

それを責められても、

看護師は困ります。

 

この被告は、

このようなことが重なって、

精神的に参ってしまったのだと思います。

 

確かに、

自分が世話をしていた、

なじみの患者が亡くなっただけでも、

たいがいなのに、

その上家族から詰(なじ)られたら、

もう精神が破綻してしまいます。

 

K氏は、

こんな事情をわかって、

モノを言っているのでしょうか。

 

自分こそ、

看護師の表の華やかな部分しか、

知らないのではないでしょうか。

 

そんなのは、

テレビの見過ぎです。

 

知っていたら、

こんなコメントは、

できるはずがないのです。

 

被告が、

本当にシリアルキラーであるなら、

いくら検証しても、

同じような事件を防ぎようがありません。

 

これが、

先に述べた、

 

「被告がシリアルキラーなら、話はもっと楽だ」

 

ということなのです。

 

しかし、

それではダメなのです。

 

何回も言いますが、

彼女のしたことは、

許されることではなく、

それ相応の判決が下りました。

 

しかし、

なぜ彼女が、

そうなるに至ったか、

細かく検証しないと、

第2第3の、

被告が生まれます。

 

看護師には、

精神を病んで、

抗うつ薬等の、

精神病薬を服用している人が、

一般の人よりも高い割合で居ます。

 

それぐらい、

神経をすり減らしているのです。

 

決して、

表向きの、

華やかな世界ではありません。

 

患者・家族からのプレッシャーだけでなく、

同僚からも、

本来無くてもいいはずの、

圧を受けているのですから。

 

K氏は、

 

「ナースは、ストレスを溜めると大量殺人者になるのか」

 

と言ってますが、

予備軍は居ると思います。

 

ただ、

そこまでに至る前に、

なんとか踏みとどまっただけです。

 

ですから、

誰にでも、

そうなる要素は、

あるのです。

 

かく言うK氏も、

会ったこともない私に、

これだけモノが言える人間でなければ、

そうなるかもしれません。

 

「自分だけはそうならない」

 

と、

思うのは誰しも同じです。

 

しかし、

その思考は危険です。

 

大切なのは、

 

「自分もそうなるかもしれない。そうならないためには、どうすればいいのか」

 

という、

回避行動が如何にとれるかということにあります。

 

だから私は、

近畿中央病院を辞めたのです。

 

これも、

自分を守るための、

 

「回避行動」

 

です。

 

被告は、

きっとこの回避行動を、

取れなかったのです。

 

母親が、

職場を変わることをすすめた時が、

最後のチャンスだったと思います。

 

しかし、

その時すでに、

まともな思考能力を、

失っていたのだと思います。

 

人の憶測を疑うのに、

自分も憶測でモノを言う、

これは、

私にとって、

一番許せないことです。

 

K氏には、

きちんと根拠を求めていこうと、

思っています。

 

このブログを、

読んでもらおうと、

YouTubeのコメントに書いたのですが、

規定に触れたのか、

削除されてしまいました。

 

皆さんは、

K氏と私、

どちらの意見が正しいと思いますか?

 

私としては、

意見なので、

どちらが正しいとかはないと思います。

 

ただ、

人に意見をするのであれば、

納得させるだけの、

材料を示してほしいです。

 

それを、

私は示しているにもかかわらず、

私に求めているのですから。

 

いや、

そんな小さいことよりも、

この事件を教訓に、

看護師の待遇や賃金等が、

改善されることを望みます。

 

そして、

同僚をイジメることは、

絶対にやめること!

 

これが、

看護師を辞めた私から、

看護師への最後の願いです。