キャリアを積むほど評価が下がる不思議な看護師の世界
看護師の世界は、
一般社会ではおよそ通用しないようなことが、
まかり通ってしまうと、
今まで散々述べてきました。
世の中は、
慢性的な看護師不足と言われて久しいですが、
それをつくりだしているのは、
他ならぬ病院自身なのです。
そのエピソードを。
私は、
学校を卒業する前に、
3つの病院の採用試験を受け、
2ヶ所から内定をもらいました。
そのうち、
最初に就職したところを選びましたが、
あとの1ヶ所は、
大学病院でした。
大学病院のほうを断ったのですが、
断った後に、
その病院から電話がかかってきました。
「どうしてもうちに就職してもらえませんか。(わたしの名前)さんのような優秀な方には、是非来ていただきたいのですが」
嬉しい言葉です。
しかし、
就職した病院のほうの合否発表が先だったので、
内定をもらった時点で、
返事をしたのです。
本当は、
大学病院のほうに行きたかったし、
合否発表の順番が逆なら、
大学病院に行っていました。
ただ、
就職してみたら、
就職した病院に行って、
よかったと思いました。
最初に就職した病院で、
6年働いたあと、
転勤先で2年数ヶ月働いて、
退職しました。
その後、
進みたい道への就職を模索しましたが、
なかなかうまくいかず、
再度病院で働くことを考えました。
結局、
近畿中央病院に採用されるまで、
ちょうど4年かかりましたが、
直前2年ぐらいの間に、
かなりの数の病院の採用試験を受けました。
その際に、
新卒の時に合格して、
断った大学病院も受けました。
新卒のの評価が高かったし、
そこから、
看護師としてのキャリアも積んだので、
採用してもらえる期待が高かったのです。
しかし、
その期待は打ち砕かれました。
詳細は省きますが、
面接で看護部長から、
「あなた、ワードやエクセルはできますかしら?」と聞かれました。
は?
そんなん常識やろ!
少なくとも、
お前よりはできるわ!
しかし、
そうは言えないので、
「普通以上にはできると思います」
と答えました。
こんな、
人のことを小バカにするようなところ、
こちから願い下げです。
去年の7月末、
労災の責任を認めようとしない近畿中央病院に嫌気がさし、
姉の知り合いの転職会社の仲介で、
とある病院の就職試験を受けました。
結果は不合格でしたが、
ここはまだ、
面接してくれただけマシです。
何ヶ所かは、
エントリー時点で、
門前払いでした。
おかしですね。
看護師不足ではないのですか?
それなら、
よほどの欠陥がない限り、
雇うべきではないですか?
友情を壊す・近畿中央病院 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)
裏を返せば、
私に重大な欠陥があるということかもしれません。
しかし、
労災で入院する前までは、
バリバリ働いてたんですよ。
雇えば、
普通以上に働けるのです。
これが、
一般社会なら、
50歳代でも、
能力のある人は、
ヘッドハンティングがあるぐらいです。
給料も、
転職すれ上がるのです。
看護師は、
転職するほうが、
給料が下がることがほとんどです。
私が、
近畿中央病院に就職す際も、
経験年数×7かけの経験年数換算でした。
キャリアを積むほど、
評価・価値が下がるのは、
看護師の世界ぐらいじゃないですかね。
これが、
私が看護師免許を、
「一番つまらない国家資格」という所以です。
要は、
どこいの病院も、
そこそこ働けて安い人材、
つまり5年目ぐらいの人材を求めているのです。
仕事ぶりより、
コストということです。
しかし、
私はちょうど、
第2次ベビーブームの時に生まれました。
つまり、
人数の多い年代です。
看護師をしている人数も、
相対的に多いはずです。
しかし、
病院側が希望している年齢層は、
私の年代よりはるかに少ないのです。
その中で、
看護師をしている人口は、
これまた相対的に少ないはずです。
そんな少ない人材を、
大半の病院・施設が取り合いをしている、
それが昨今の看護師不足の現状です。
これも、
各施設が看護師に金をかけないということの現れです。
大阪難波にある、
とある外科系の病院(というか昨年7月に受けた病院もそうでしたが)は、
看護師の年齢層が若いことを、
さも自慢げに面接で言っていましたが、
それは、
自分の病院の定着率が悪いことを、
公言しているのと同じです。
若い看護師だけだと、
ある程度の看護は提供できるでしょうが、
そこ止まりです。
ベテランがいると、
経験に基づいた、
もと質の高い看護が提供できるのです。
ベテランには、
お金を出すだけの価値があるのです。
それをわかっていない、
大半の病院の看護師不足は、
看護部の幹部連中が考えを変えない限り、
一生解決することはないでしょう。
病院だけでなく、
医療ワーカーをはじめとした転職サイトも、
積極的に転職をサポートしてくれるのは、
10年目以下の若い人材です。
私ぐらいの年齢になると、
見下してバカにした対応しかしません。
元々評判の悪い、
医療ワーカーの悪行については、
別の機会に話します。
ネットの広告にあるような、
転職すれば給料が上がるというのも、
若い看護師が対象です。
そういえば、
エントリー段階でダメだった、
大阪北部のターミナル駅付近にある病院など、
「30歳台以下の人材を望んでいる」と言いながら、
給料はかなり安いのです。
そんな人材が欲しければ、
給料をある程度出さないと、
来るわけがありません。
この点をみても、
看護師をバカにしていると、
言わざるを得ません。
もっと変なところがって、
私に循環器の経験があるので、
姉の知り合いの転職業者の人が、
某病院のCCUの求人を提案してくれたのですが、
これもエントリー時点でダメでした。
その理由が、
もし私が就職したら、
そこの看護師長が私より年下なので、
やりにくくなるからというもの。
は?
そんなん、
いくら年下でも、
上司を上司として接する常識ぐらい、
持ち合わせていますよ。
それを、
実際話もすることなく、
勝手に決めるとは、
やはり看護師とは、
一般社会では通用しないような常識を、
持ち合わせているものなのでしょう。
何回も言うように、
ベテラン看護師には、
お金を出すだけの価値があります。
それに投資することで、
看護の質を上げれば、
患者が集まり、
投資しただけの見返りがあるはずです。
少ない人材を取り合いしなくても、
多い人材からさがすことで、
看護師不足も解消できます。
良い病院とは、
看護師のベテラン・中堅・若手が、
まんべんなく居るところです。
どこぞの病院みたいに、
若手ばかりのところ、
近畿中央病院のように、
超ベテランと若手しかいないところは、
大きな問題を抱えているということです。
そういう意味で、
最初に働いた病院は、
比較的良い病院だったと思います。
各病院・施設は、
看護師のキャリアを認めて、
その価値を正当に評価しましょう。