看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

インシデントがなくならない理由

以前に、

インシデントレポートについて、

触れたことがあります。

お前は書かんのかい!/看護師Hの場合 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

みんな大好き「ダブルチェック」 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

隠ぺい体質 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

では、

なぜインシデントはなくならない、

いや減らないのか。

 

それは、

起こした者自身と、

その人が所属する者で、

検証を行うからです。

 

どういうことか。

 

私は、

ケーブルテレビの、

ナショナルジオグラフィックナショジオ)」でやっている、

メーデー」という番組が好きで、

よく見ています。

 

メーデー」とは、

5月1日にやるアレではなくて、

航空機が緊急事態を宣言する際に、。

管制官に対して「メーデーメーデーメーデー」と、

3回続けて言うことに由来していて、

航空機事故の検証番組です。

 

航空機事故の検証は、

第3者が客観的な視点によって行われ、

それによって事故原因を導き出し、

改善点を提言します。

 

日本ではJTSB(運輸安全委員会)、

アメリカではNTSB(国家運輸安全委員会)、

フランスではBEA(フランス航空事故調査局)が、

その任に当たります。

 

改善点の提言は、

事故を起こした航空会社のみならず、

日本であれば国土交通省

アメリカであればFAA(アメリカ連邦航空局)など、

所管する組織、

そして航空機メーカーに対して行われます。

 

さらに、

パイロットを養する施設にまで、

及ぶことがあります。

 

航空機事故の場合、

命を落とすことが多いため、

2度と同じことが起こらないよう、

そこまでの検証と提言が行われます。

 

病院では、

命を落とすような事案が発生すれば、

「医療事故」として、

病院を挙げて検証が行われますが、

インシデントの場合は、

そこまで行われません。

 

航空機の場合は、

死亡者の出ないインシデントレベルでも、

事故と同様の検証が行われます。

 

病院におけるインシデントは、

そこまでは行われません。

 

「大げさだ」と言う意見もありますが、

飛行機も病院も、

人の命を預かっているという点は同じです。

 

しかも、

大人数であろうが1人であろうが、

命の重さには変わりはありません。

 

故に、

航空機事故と同様の検証を行うことが、

必須だと思います。

 

それで、

インシデントは激減すると思います。

 

次に、

自部署で検証を行うことが、

なぜいけないのか。

 

それは、

自部署で、

ひいては病院全体で、

当たり前のように行っていることが、

実は原因のひとつになっていることが、

結構多いからです。

 

その場合、

それを当たり前に行っている者が検証をしても、

その欠陥に気付かないのです。

 

病院には、

せっかく「医療安全委員会」というものがあるのに、

まったく機能していないように思います。

 

ここが主体的になって、

小さなインシデントもすべて検証し、

対策を講じるようにすれば、

確実にインシデントは減り、

医療事故は起こさないでしょう。

 

インシデントレポートは、

ほとんど看護師しか書いておらず、

そのすべてを検証するだけでも大変ですが、

本気でインシデント・医療事故を無くす気があれば、

できるはずです。

 

その一案として、

例えば、

当該部署が起こしたインシデントを、

他の部署が検証するというのも、

有用だと思います。

 

そうすれば、

部署特有の欠陥に、

気付くことができます。

 

部署特有の欠陥が改善されれば、

同様のインシデントは、

起こらなくなるはずです。

 

大切なことは、

1度起こした事案を、

2度と起こさないことです。

 

同じことを、

何度も起こすということは、

検証方法自体に欠陥に言わざるを得ません。

 

それなのに、

「同じインシデントを何度も起こしている。なんとかしろ」と、

注意だけして終わらせている病棟師長は、

無能というほかありません。

 

人間は、

間違いを起こすものですが、

1度起こしたことは無かったことにはできません。

 

それを教訓にして、

2度と同じことを起こさないことが、

教訓を与えてくれた人への、

最大の償いになると思います。

 

病院は、

看護師に金を使わないものですが、

インシデントの検証には、

是非金をかけてもらいたいものです。

 

近畿中央病院における、

私の労災は、

医療事故レベルのことですが、

検証が行われた形跡はありません。

 

2019年12月末、

私が結核発症のため入院したあと、

もう年末休みに入っていたにもかかわらず、

院長はじめ病院幹部が集合して、

「今後の対策」を話し合ったそうです。

 

普通は、

「今後の対策」というのは、

再発防止について話し合うものです。

 

しかし、

当事者の私が求めても、

再発防止策は「不要」と、

拒否されました。

 

ここで話し合われたのは、

病院の自己保身と、

近畿中央病院のHPに掲載された、

この文章です。

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インシデント・事故を起こして、

何の反省もしない病院に、

信用などおけるわけがありません。

 

近畿中央病院に不信感を抱いた私は、

結局辞めました。

 

これが患者であれば、

2度と受診したくないと、

思うはずです。