看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

学歴と能力は必ずしも一致せず

以前、

看護師に学歴は関係あるかという話をしました。

Q:看護師に学歴は関係ありますか? A:ありません・・・が、しかし! - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

要約すると、

必ずしも学歴は関係ないけど、

一定以上の知識と常識を持ち合わせ、

謙虚な姿勢で仕事を行うことが必要、

という結果になりました。

 

「学歴よりも能力」

ということです。

 

これは、

医師にも共通すると思います。

 

救命救急センターには、

数ヶ月毎のローテーションで、

研修医の医師が巡ってきました。

 

大概の研修医は、

看護師と仲良くしておいたほうが、

メリットがあると踏んで、

積極的に話かけてきて、

短期間の付き合いですが、

一定以上の人間関係を築きます。

 

中には、

研修医から研究医(レジデント)になった途端、

それまでさん付けで呼んでいたのを、

「(私の名前)くん」と変える者も居ましたが・・・。

 

自分の、

そして他人の立場によって態度を変える人は、

人間的にどうかと思います。

 

そんな、

数多く接してきた研修医の中に、

名前は忘れましたが、

仕事のできない人が居ました。

 

仮に、

L医師とします。

 

Lは、

我が国の最高学府である、

東京大学の医学部出身でした。

 

そのせいか、

「自分は他の医者とは格が違う」という雰囲気を醸し出していて、

研修医仲間や看護師とも、

積極的に交わろうとしませんでした。

 

この時の救命救急センターの部長の医師は、

「俺らが仕事できるのは、看護師が準備してくれるからや。それに、看護師がいろいろ教えてくれる。そやから、看護師に感謝して、仲良くしとかんといかん」

という考えの人だったので、

我々はとても働きやすかったのです。

 

L医師、

それまでも細々と、

いろいろやらかしていましたが、

それを指摘しても、

何が悪いのかもわかっていませんでした。

 

極めつけのエピソード。

 

ある時Lは、

医長の医師Rから、

ある患者のイノバン(昇圧剤)を中止して、

ルートをヘパリンロックするよう指示されていました。

 

その患者の担当だった私は、

Lのことを信用していなかったので、

Lの行動を監視していました。

 

救命救急センターの、

重症病棟に入る患者は、

ほぼ全員、

内頚もしくは鎖骨下に、

トリプルルーメンのCVルートが留置されています。

 

トリプルルーメンの場合、

茶白青の3本のルートがあって、

それぞれ太さが微妙に異なります(茶>白>青)。

 

ここでは、

茶に高カロリー栄養(IVH)、

白に昇圧剤、

青にそれ以外の薬剤を繋いでいました。

 

通常、

薬剤を中止する際は、

薬剤をルートごと接続部から外して、

外したところ、

この時の場合は、

白ルートにヘパリンロックをします。

 

そして、

当時は三方活栓を使っていたので、

三方活栓を患者側にOFFにして、

ふたを付ける。

 

そして、

シリンジポンプの電源を落とす。

 

ここまでが、

一連の流れです。

 

しかしLは、

案の定やらかしました。

 

昇圧剤ということで、

白ルート内の薬液をシリンジで吸ってから、

ヘパリンロックをしたのは、

彼にしてはよくできたと思います。

 

しかし、

その後は全然でした。

 

薬剤を、

白ルートから外していない。

 

三方活栓は、

薬液が流れる方向にしたまま。

 

極めつけは、

シリンジポンプの電源を落としていないため、

結局は薬液が患者の体に入るようになっていたのです。

 

私は、

心の中で、

「何やっとんねん」と思いました。

 

しかし、

看護師である私が注意したところで、

同僚すら見下している彼には、

何も響かないことは明白です。

 

そこで私は、

「無法者には正攻法で」ではないですが、

彼に指示を出したR医師に報告しました。

 

自分の出した指示通りにしていないLに対して、

R医師は激怒しました。

 

このR医師、

普段はおとぼけなところがあり、

穏やかな人なのですが、

この人がここまで激怒したのは、

後にも先にもこの時だけでした。

 

普段怒らない人を怒らせると、

この上なく怖いということを、

実感しました。

 

にもかかわらず、

当の本人は、

なぜ怒られているのか、

わかっていますせんでした。

 

医療の世界で、

知ったかぶりで行うことほど、

怖いものはありません。

 

わからなかったり、

自信がなければ、

看護師に聞いてくれたら、

いくらでも教えます。

 

実際、

聞いてくる研修医は、

山ほど居ました。

 

しかし、

Lの場合は、

同じ研修医にも、

マウントを取るぐらいですから、

看護師に聞くのは、

プライドが許さなかったのでしょう。

 

このL、

「自分は医者しかできない」と豪語していたそうです。

 

しかし、

R医師が、

「お前は、医者しかできないじゃなくて、かろうじて医者をしてるだけで、他の仕事が出来ないだけだ」と、

彼の言葉を一蹴したそうです。

 

彼のその後は知りませんが、

医師を続けていないことを願います。

 

もしくは、

改心して、

謙虚な姿勢をもって医師をしていることを。

 

人間誰しも、

謙虚な姿勢を持つことが、

大切です。