看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

「三方活栓の勉強会をします」→は?/「ゆとり」の結果・小池

今回は、

久しぶりにこの人の話です。

 

ある日、

三方活栓に関する、

インシデントが発生しました。

 

「三方活栓」

 

とは、

以前にも何度か話しているので、

そちらを参照していただけたらと思います。

注意せんのかい!/言うことにもやることにも一貫性のない医師・重本 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

簡単におさらいをしておくと、

点滴ルートの途中に挟むことで、

点滴中に、

別の薬剤を投与するために使われます。

 

我々の年代では、

三方活栓は、

点滴を行う上での、

基本中の基本中の基本でした。

 

ですから、

新人の、

しかも最初のうちに、

その扱いについて教えられます。

 

しかし、

近畿中央病院おいては、

というか、

おそらく最近の病院は、

三方活栓をあまり使わなくなりつつあります。

 

そのため、

若い看護師は、

その扱いを、

きちんと教えられていないのです。

 

現在、

近畿中央病院において、

三方活栓が使われるのは、

ほぼシリンジポンプを使用する時だけです。

 

三方活栓の代わりに、

今は、

「シュアプラグ」

 

が使われています。

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(1)の部分に、

点滴の主管、

つまりメインとなる輸液を接続し、

(2)の部分から、

抗生物質などの薬剤を、

投与します。

 

三方活栓のように、

コックの操作が不要なため、

看護師の負担が軽減されています。

 

三方活栓は、

大きく分けて、

以下の2種類があります。

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上のものは、

図にも記されている通り、

棒になっている部分がOFF、

つまり薬剤が流れない方向になっています。

 

下のものは、

逆に、

棒になっている部分がON、

つまり薬液が流れる方向となています。

 

つまり、

ものによって、

扱いがまったく逆なのです。

 

近畿中央病院でも、

両方のタイプのものを使用しています。

 

同じ用途に、

まったく逆の操作が必要ということで、

これはインシデントの原因となり得ます。

 

今回の、

インシデントの理由も、

それが原因です。

 

しかし、

両方の種類が採用されているのには、

理由があります。

 

上のものには、

20cmほどの延長ルートが付いているものがあって、

文字通り、

点滴ルートの延長に使われます。

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下のものは、

三方活栓単独で、

点滴ルートの途中に挟むなどして使用します。

 

つまり、

用途が違うのです。

 

ちなみに、

業者も違うはずです。

 

メーカー間で、

どちらかに統一すればいいようなものですが、

私が看護師になって20年以上、

それがなされないということは、

それなりの理由があるのでしょう。

 

今回のインシデントは、

小池本人が起こしたものか、

他の看護師が起こしたのかは忘れましたが、

小池からこんなことが発表されました。

 

「三方活栓の勉強会を、業者に依頼する」

 

は?

 

バカじゃないのか!

 

前述の通り、

三方活栓の扱いは、

看護師の基本中の基本中の基本です。

 

いくら、

近畿中央病院において、

いや他の病院においても、

三方活栓を使う機会が減っているとしても、

基本を抑えないと、

応用は利かないはずです。

 

しかも、

まったく三方活栓を使わない職場ならまだしも、

減っているとはいっても、

まだ使う機会はあるのです。

 

それなら、

新人の時、

しかも初期のうちに、

しっかりと教えておくべきです。

 

このインシデントは、

そんな新人教育における、

 

「怠慢」

 

によって起ったと思います。

 

いわば、

 

ゆとり教育

 

の弊害です。

 

近畿中央病院は、

シュアプラグのような、

看護師の負担を軽減するものを採用していますが、

小さな病院では、

そうはいかないと思います。

 

未だに、

旧態依然としたものを、

使っているところも、

多々あると思います。

 

もし、

近畿中央病院を辞めて、

他のところに転職した場合、

三方活栓の扱いを知らなかったら、

 

「近畿中央病院は何を教えているんだ」

 

と言われてしまいかねません。

 

せっかく、

教育を施すのであれば、

まず基本を教えてから、

そのあとで応用を、

教えるべきです。

 

永遠に、

近畿中央病院で働くわけではなく、

近畿中央病院のやり方だけ、

教えたらいいのではないのです。

 

実際、

多くの看護師が、

辞めていくのですから。

新人看護師・若い看護師の退職状況/わかる範囲内で・近畿中央病院 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

病棟単位の去就状況・近畿中央病院 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

インシデントが起こったら、

何かしら対策を考えないとならないから、

わからないでもないですが、

 

「業者に勉強会をしてもらう」

 

というのは、

どうかと思います。

 

そんなの、

開催したところで、

ものの数分で終わってしまいます。

 

業者にしても、

 

「この病院の看護師は、三方活栓の扱いも知らないのか」

 

と思うはずです。

 

結局、

この勉強会は、

開催されたのかどうかわかりませんが、

いずれにしても、

私は参加しなかったでしょう。

 

あまりにも、

バカバカし過ぎます。

 

私以外の、

ベテラン看護師も、

表上は何も言いませんでしたが、

心の中では、

私と同じことを思っていたはずです。

 

もし、

本気でインシデントを無くしたいのであれば、

しょうもない勉強会を開くのではなく、

業者に対して、

三方活栓の仕様統一を、

働きかけるべきです。

 

そうすれば、

自分のところだけでなく、

他の病院のインシデントも、

無くすことができると思います。

 

インシデントの検証、

ならびに対策は、

自己満足のために行うものではなく、

根本的に、

インシデントを無くすために行うものです。

 

そのためには、

業者への働きかけは、

決して大げさではないのです。

 

前にも話しましたが、

航空機事故の検証では、

法律や、

メーカーの製造上の欠陥にも、

言及し勧告するのです。

 

「大げさな」

 

と思うかもしれませんが、

航空業界も医療の世界も、

人の命を預かっているのは、

同じです。

 

自分たちの、

 

「自己満足」

 

で終わってはダメなのです。

 

そして、

 

ゆとり教育

 

の看護師は、

再教育するべきです。

 

それが出来ないのなら、

駆逐されるべきです。

 

小池よ。

 

お前のことだよ!