看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

研修医にも甘く見られている近畿中央病院

近畿中央病院は、

研修医を受け入れています。

 

2つパターンがあって、

近畿中央病院が直接受け入れる場合と、

もう1つは、

大阪大学から、

受け入れる場合です。

 

後者の場合は、

2年ある研修医期間のうち、

前期1年のみを、

近畿中央病院で行うかたちです。

 

後期1年は、

大阪大学医学部附属病院で行うのです。

 

これは、

結構良いシステムではないかと、

私は思っています。

 

近畿中央病院は、

病院としての規模は、

大きいほうですが、

阪大病院に比べたら、

半分程度の規模です。

 

そういう、

違いのある施設で、

1年ずつ研修を行うことは、

単一施設で過ごすよりも、

必ず良い方向に働くと、

私は思います。

 

近畿中央病院において、

特に独自に研修医を受け入れるための施策として、

様々なことが行われています。

 

まず、

給料を普通に支給するということがあります。

 

研修医といえば、

薄給でコキ使われるという、

イメージがあると思います。

 

実際、

私が最初に働いた病院も、

多分に漏れずそうでした。

 

その代わりといってはなんですが、

病院のすぐそばに、

研修医用の寮があり、

格安で入居できました。

 

この点は、

近畿中央病院も同じで、

すぐそばではありませんが、

自転車で5分程度のところに、

寮があります。

 

「普通に給料」

 

というのは、

看護師に例えると、

1年目の看護師程度の給料で、

生活するには、

問題のない額です。

 

寮に入って、

この給料を受け取れば、

やや余裕のある生活を、

送ることができるでしょう。

 

研修医の薄給問題が、

数年前にニュースになったぐらいなので。

 

しかし、

大半の医師は、

実家が裕福なことが多いので、

それほどは、

問題にならないのです。

 

では、

なぜ近畿中央病院が、

このような施策を取っているのか。

 

それは、

研修医に、

アルバイトをさせないためです。

 

薄給の研修医は、

生活を維持するために、

他の病院の当直のアルバイトをします。

 

しかし、

研修医が所属施設以外で、

ひとりで診療を行うことは、

違法になります。

 

研修医は、

指導医の監督下でしか、

診療ができないからです。

 

それを阻止するためには、

十分な給料を与えて、

アルバイトをさせないのが、

一番だからです。

 

要は、

研修医のためというのは二の次で、

近畿中央病院の体面を保つためというのが、

一番の理由なのです。

 

「近畿中央病院の研修医が違法行為」

 

とでも、

ニュースになったら、

大変ですからね。

 

こういう、

研修医に対する待遇が良いためか、

近畿中央病院は、

研修医に人気があるそうです。

 

それ自体は、

良いことだと思います。

 

しかし、

研修医の本音は、

 

「近畿中央病院の研修医は楽だ」

 

ということです。

 

要は、

甘く見られているのです。

 

確かに、

大学病院のように、

朝早くから夜遅くまで、

薄給でコキ使うのは、

どうかと思います。

 

だからといって、

甘くするというのも、

違うと思います。

 

近畿中央病院は、

決して甘くしているわけではありません。

 

常々言っているように、

医師は優秀な方が多く、

そういう医師が、

後進を育てるために、

優しく丁寧に熱心に、

指導しているのです。

 

それは、

すごく良いことだと思います。

 

それを、

今どきの若者は、

勘違いをしているのです。

 

もちろん、

全員ではありません。

 

私が、

近畿中央病院に在籍した、

12年ほどの間に、

優秀な研修医が、

何人か居ました。

 

そういう人は、

レジデント(研究医)になってからも、

看護師に対して謙虚です。

 

逆に言えば、

近畿中央病院を甘くみている研修医は、

レジデントになったら、

態度を急変させます。

 

IHRなど、

研修医時代、

私のことを

 

「(私の名前)さん」

 

と、

さん付けで呼んでいたのに、

レジデントになった途端、

 

「(私の名前)君」

 

と、

君付けで呼ぶようになりました。

 

私のほうが、

年上やぞ!

 

研修医時代優秀で、

レジデントになってからも謙虚な医師は、

みんなさん付けで呼んでいました。

 

こういうところに、

元々の人間性が出ると思います。

 

そういえば、

私が尊敬する近畿中央病院の医師、

YMGC先生も、

私のことをさん付けで呼びます。

 

私よりも、

10歳近くも年上なのにです。

 

優秀で、

人間が出来ている人というのは、

そういうものだと思います。

 

医師の世界も、

看護師の世界と同じで、

およそ一般社会では通用しないことが、

まかり通ります。

 

YMGC先生も、

一度大学を出てから、

医学部に入り直しているので、

一般的な常識を、

持ち合わせているのです。

 

良かれと思ってやっている施策、

そして優しく丁寧で熱心な指導が、

違う風に捉えられている近畿中央病院は、

哀れだと思います。

 

この先、

人の命を、

看護師以上に預かることになる研修医には、

ある程度の厳しさのある指導は、

必要だと思います。

 

しかし、

それをしないのが、

近畿中央病院の大半の医師の人間性であり、

それは否定してはなりません。

 

むしろ、

そうすべきなのですから。

 

ただ、

これだけ研修医に手厚くして、

優しく指導をしても、

あんな事件が起こるのですから・・・