看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

正に「絵にかいた餅」・定時帰り

「定時帰り」

 

これは、

近畿中央病院の、

私が所属したとある部署において、

確か1年間の部署目標のひとつとして掲げられたことです。

 

私が最初に就職した病院、

ならびにその系列病院では、

定時帰りが当たり前だったので、

「何を言っとるんだ」と思いました。

 

しかもこの定時帰り、

平日の日勤メンバーのひとりをあらかじめ選んでおいて、

その人が定時に帰れるようその他のメンバーでサポートするというもの。

 

呆れました。

 

その前に、

全員が定時帰りできる努力をするべきだと思います。

しかし、

前にも話したように、

近畿中央病院の各部署においては、

業務量に大きな格差があって、

毎日ほぼ定時で帰れるところもあれば、

いつも残業のところもありました。

 

要は、

私の所属する部署では、

全員定時帰りするのは所詮無理な話なので、

それなら例え1人でも帰れるようにしようというのが、

このシステムなのです。

つまり、

部署の士気を上げるためです。

 

一見良いシステムに思いますが、

これは根本的な問題から目を逸らした、

場当たり的なものだと思います。

 

前述のように、

定時帰りは、

みんなが出来て然るべきものなのです。

もし、

部署間で格差があるのであれば、

それを是正する努力、

例えば病棟再編をするなど、

病院として動くべきことなのです。

 

部署目標は、

もちろん看護部幹部も目にしているわけで、

それを承認したということは、

看護部も「全員定時帰り」の問題から、

目を背けたということになります。

 

しかし、

ほぼ定時帰りできないところを、

1~2月に1回程度定時に帰れるということは、

ありがたく思う必要はない(なぜなら当たり前だから)ですが、

使えるものは使わしていただこうと思いました。

 

が、

その考えは甘すぎました。

 

普通、

その人が「定時帰り」に当たっていることは、

勤務表に示してあるので、

予めわかっています。

ですから、

前日の日勤リーダーは、

その人の次の日の受け持ちを、

軽めになるように考慮します。

あくまでも、

「軽め」ですが・・・。

 

そして当日は、

その人が定時に帰れるように、

他の人がフォローし、

「たいがいの人」は、

ほぼ定時で帰ることができるのです。

 

私の場合は・・・

ほぼ定時で帰ることはできませんでした。

定時に帰れたのは、

たった1度だけでした。

 

そりゃそうですよ。

受け持ちを考慮するはずが、

なんなら他の人よりも重めの受け持ちが、

いつも付いていたのです。

そもそも、

朝来た時点で「今日も定時帰りは無理だな」と、

わかるような受け持ちなのです。

 

ある定時帰りの日、

いつもにように、

朝の時点で定時帰りのできない、

つまり業務の多い受け持ちがついていました。

すると、

以前「それはお前の仕事やろ!」で登場した、

YH主任が声をかけてきました。

それはお前の仕事やろ!/主任YHの場合 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

「今日は帰れそう?」

 

「今日は」・・・

この言葉から読み取れるのは、

私が定時帰りに当たっていても、

1度も定時帰りできたことがないことを、

把握しているということです。

 

私はこう返しました。

「今日も無理です」

 

この言葉を聞いて、

では受け持ちを変えてくれたかといえば、

そんなことは一切ありませんでした。

他の人なら、

変えてもらえるところです。

実際、

私がリーダーの時、

主任の要請に応じて、

定時帰りの人の受け持ちを、

軽めに変更したことがあります。

 

案の定この日は、

定時を大幅に超えてから帰りました。

私もベテランですから、

受け持ちを見れば、

どれぐらいの仕事量になるかはわかります。

 

これでわかりました。

私は、

病棟で嫌われていたんだなと。

 

でなければ、

前回入院した時に、

見舞いぐらい来るでしょう。

そうでなくても、

LINEとかメアド知ってる人も居るし、

詰所には連絡網がぶら下がってるんやから、

それを見て連絡できるでしょう。

 

少なくとも、

私ならそうしますし、

そうしてきました。

前に投稿した、

「忘れられない新人看護師MSさん」の時もそうです。

理不尽に辞めていった子たちへのレクイエム/今でも忘れられない新人看護師MSさん - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

心配だからこそ、

いけないこととはわかっていても、

連絡網から電話番号を拾って、

連絡をとったのです。

 

しかし、

私のことを嫌っているのなら、

仕事上で私のことを頼るのは、

やめていただきたいです。

こっちの力は借りるのに、

自分はこっちに力を貸さない。

入院した時に連絡すらしてこない。

こんな理不尽は、

ないと思います。

こんな理不尽がまかり通るのが、

近畿中央病院というところです。

 

そして、

この施策が始まって一定期間が過ぎ、

その評価のためアンケートが取られました。

内容は、

定時帰宅ができたか否かと、

今後も定時帰宅制度を行っていくか否かでした。

 

この時点で、

私に何回定時帰宅が付けられていたかは、

資料を破棄してしまったのでわかりませんが、

ひとつはっきり言えたのは、

1度も定時帰りができなかったということ。

しかも、

30分ぐらいの超過なら、

まだ許容範囲内ですが、

短くても50分、

ひどい時は普段となんら変わらない、

20時前後の帰宅時間になりました。

 

ひどい時など、

私が定時で帰れない中、

中堅の看護師が数人定時帰宅したのです。

そんなの、

朝受け持ちを見ればわかります。

「逆にせいや」という話です。

 

今後も、

この制度を望むかとの問いには、

「続けてもいいが、私には付けないでくれ。どうせ帰れないから」と書きました。

その通りですから。

 

被害妄想かもしれませんが、

私が見ている限り、

他の人それも主任もしくは主任に準ずるようなベテランに、

この定時帰りが付いていたら、

みんな必死で定時に帰そうと手伝いまくります。

私の時は、

誰も手伝いません。

定時を過ぎて残っていても、

誰も何も言いません。

私も、

主任に準じるクラスのキャリアがあるのですが・・・。

まあ、

嫌われているからしかたがありません。

 

この定時帰りについて、

継続が決まった時、

件の病棟師長・古川から、

こんな話がありました。

 

「定時帰り、一応目標として挙げててみんなに公平につけてるけど、その時の状況で帰れるかどうかわからんからな。帰れなくても、文句言うなよ」

 

これは、

その通りだと思います。

しかし、

努力はするべきで、

受け持ちを反対にすれば帰れるなら、

そうすべきだと思います。

 

そんなある日、

私に定時帰りが付いていました、

その日はもう受け持ちを見る前にあきらめていました。

しかし、

YH主任が話しかけてきて、

「今日こそちゃんと帰れるようにするから」と。

 

この日は、

初めて定時に帰ることが出来ました。

 

この制度、

今はもうないかもしれませんが、

これが私にとってこの制度下唯一の、

定時帰りとなりました。

 

しかし、

やはりこんな制度があること自体がおかしいわけで、

みんなが定時帰りできる努力をしていくべきです。

なぜなら、

近畿中央病院は5年後に、

伊丹市民病院と合併します。

その時には、

市の直営ではなく、

外郭団体の経営になるでしょうが、

元々公共のところは、

長時間の超過勤務に対して、

かなり厳しいのです。

今までのように、

20時頃まで残ることは、

おそらくできなくなるでしょう。

 

しかし、

2回目の登場になるYH主任。

基本的に悪い人ではないのですが、

いざという時逃げるというか、

積極的に動いてくれないのが玉に傷です。