ある日、
私は日勤でメンバー、
つまり患者を受け持ちしていました。
すると、
リーダーをしていたYH主任が、
私に声をかけてきました。
ここで、
看護師の世界をあまり知らない方々に解説を。
「リーダー」とは、
患者の受け持ちをする「メンバー」が、
業務をしやすいように調整したり、
医師から出された指示を受けて、
それをメンバーに伝えたりする役割のこと。
平日は、
リーダーはリーダー業務専業ですが、
土日祝日と夜勤は、
患者を受け持ちながら、
リーダーとしての業務も行います。
土日祝日・夜勤においては、
病棟師長の代理の役割も担います。
話を戻しまして、
YH主任が私に話かけてきた理由とは、
とある先生に指示を聞いてほしいというもの。
は?
それは、
あんたの仕事でしょうが!
確かに、
その先生は朝から機嫌が悪そうなのは、
私も感じていました。
たぶん、
YH主任も、
そういうことを敏感に感じ取ることができる人なので、
そのように感じたのだと思います。
しかし、
あなたは主任でしょう。
しかも、
すでに看護師長になる資格も持っていて、
毎年春には、
昇格がうわさされているのです。
それぐらいの人物が、
相手の機嫌が悪いからかかわりたくないというのは、
かなり問題でしょう。
私だって、
機嫌の悪い人とはかかわりたくないですよ。
でも、
リーダーをしていたら、
そうも言っていられないので、
タイミングを見計らって指示を聞くようにしています。
そういうテクニックは、
持ち合わせています。
私が、
そういうテクニックを持ち合わせているのなら、
私よりベテランでしかも主任であれば、
同じようにできてしかるべきです。
まあ、
中には空気を読まずに、
しかもタイミングも見計らわずに医師に声をかけて、
火に油を注ぐ人も居ますから、
そうしないだけマシといえばマシなのかもしれません。
たしかに、
女性の看護師には当たりが強くても、
男性の看護師には言わない医師も居るので、
YH主任はそう目論んだのかもしれませんが、
メンバーとしての業務に追われている私にとっては、
迷惑以外の何物でもありません。
ちなみに、
私の高等なテクニックにより、
火に油を注ぐことなく、
その医師から指示をもらうことができました。
さすが私!