ある日、
私は日勤で仕事に行きました。
私たちが、
詰所に入ってまず見るのは、
振り分け表です。
どんな患者を受け持つのかを見ます。
そして、
実際仕事をする際に使う、
ワークシートを発行するのです。
その日の受け持ちは、
見た瞬間頭が痛くなるものでした。
まず、
相手側チームに応援だったこと。
次に、
受け持ち患者7人が、
全員ベッド上でしか動くことができず、
何かしら介助が必要であること。
さらに、
ペアになっている看護師が、
新人の看護師で、
その指導も付いていたのです。
しかも、
その新人看護師は、
同期の中で最年長ながら、
一番出来ない子で、
2年目になっても、
指導が付いていた子でした。
他の受け持ちを見たら、
先述のYH主任など、
私より受け持ちが1人少ない上に、
全員1人で動ける患者ばかりでした。
私は、
与えられた仕事は黙ってやるほうなので、
いつもなら何も意見することはありません。
どうせ、
一貫性のない理論が返ってくるだけですから。
しかしこの時は、
さすがにリーダー(MRT)に文句を言いました。
「こんなん無理や。せめて、新人外してくれ」
するとMRTは、
「私も手伝いますから、お願いします」と、
変えてくれませんでした。
YH主任も、
自分の受け持ちが軽すぎること、
そして私の受け持ちが、
応援にもかかわらず重すぎることを、
わかっているはずなのですが、
何も言いません。
この病棟のチームは、
先述のようにAチームとBチームの2チームで、
当時私はBチームに所属していました。
この日は、
Aチームに応援に行っていたわけですが、
この2チームの采配には、
大きな違いがあります。
Bチームは、
Aチームから応援に来てくれた人の受け持ちは、
比較的軽めに付けます。
普段担当しない人を持つから、
情報収集の時間も少なくて済むように、
そうしています。
しかしAチームは、
そんなことは容赦なく、
受け持ちを付けます。
なんなら、
応援の者に一番キツイ受け持ちを付けるのです。
今回が、
そのいい例です。
しかたなく、
私は仕事を始めましたが、
私の予想をはるかに上回るほど、
多忙を極めました。
まず、
ナースコールが鳴るのは、
8割がた私の担当している患者。
ペアが、
仕事のできない新人なので、
まったく期待できません。
最初のうちは、
ケアをその新人と一緒にやっていたのですが、
自分の担当患者に手いっぱいになり、
途中からはほったらかしになりました。
「私も手伝いますから・・・」と言っていたMRTも、
リーダー業務を始めて間がなかったので、
私を手伝うどころではありません。
それは、
予想通りでしたが・・・。
結局、
夕方の申し送りが終わって、
みながカルテを書き始めても、
私はバタバタと、
詰所と病棟を行き来していました。
もちろん、
帰宅したのも、
一番最後でした。
YH主任はというと、
いつもの如く定時ちょっと過ぎには帰宅。
そりゃそうですわ。
自分で動ける人6人なら、
時間内に終わって当然!
一応形だけ、
「なにか手伝えることはある?」と声をかけてはいきましたが、
私は「全部残っているけどいいです」と言って断りました。
この主任、
いつも7時30分頃、
新人よりも早く病棟に来ているのですから、
当然振り分け表も見ているのです。
主任の権限で、
振り分けを変えることだって可能なのです。
でも、
自分の受け持ちが重くなるからしない。
こんなことでいいんでしょうかね。
「主任は、ヒラの2倍仕事をして、やっと主任として認めてもらえる」と言ったのは、
まさにこの主任なのです。
言ったこととやっていることが一貫していない、
これも近畿中央病院の常識(=世間の非常識)なのかもしれません。
一番問題なのは、
今は忘れましたが、
この振り分けを考えた人物です。
自分のチームのメンバーに、
この振り分けをするのならまだしも、
応援に来たものに、
こんな忖度の極みみたいな振り分けをするとは。
私は、
能力や経験に応じて、
みなが同じような時間(究極は定時)に帰れることを目指す、
振り分けづくりを常に目指しています。
他の人にも、
主任やベテランに忖度するのではなく、
私と同じ考えで、
振り分けをしてほしいものです。
私だって、
結構なベテランなのですから。