看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

わかりやすい医師・SNDU

新しい仕事を始めるまでは、

毎日投稿していたのが、

ここのところ週1回しか投稿できていなくて、

もどかしく感じています。

 

皆様に、

もっと知ってもらいたい、

医療現場野裏側は、

いっぱいあるのですが・・・。

 

理想は、

土日が休みであれば、

金土日にそれぞれ1題ずつ投稿して、

余力があれば、

月曜日分として1題、

予約投稿ができることです。

 

しかし、

現状では、

なかなか難しいので、

ご理解いただけたらと思います。

 

それでは本題。

 

私が、

最初働いていた病院から、

転勤した系列の病院でのお話。

 

私が配属された病棟は、

内科の混合病棟でした。

 

詳しく言うと、

主に糖尿病と神経内科と緩和ケアの病棟でした。

 

転勤前から、

 

「転勤先の病院の医者は、一癖も二癖もある人が多い」

 

と聞かされていました。

 

救命救急センターでは、

個性の強い医師ばかりで、

重本のような気分屋も居ましたが、

基本的に、

仕事の面では頼りになる人ばかりでした。

 

ですから、

多少不安を覚えましたが、

いざ行ってみると、

たしかに節々そういうところはありましたが、

聞いていたほどではありませんでした。

 

「案ずるより産むが易し」

 

ということです。

 

その中に、

緩和ケアを担当する、

SNDUという、

女性医師が居ました。

 

元々は、

普通の内科医(専門は忘れました)でしたが、

家族(確か親)が癌になったことで、

緩和ケアに興味を持ったそうで、

それから緩和ケアの勉強をして、

緩和ケア医になったようです。

 

志は、

すごく良いと思います。

 

しかし、

このSNDU、

すごく

 

「わかりやすい」

 

医師でした。

 

それは、

悪い意味で。

 

どういうことか。

 

ある時、

SNDUが担当していた患者が、

夜中に亡くなりました。

 

「亡くなったらいつでも(夜中でも)連絡するように」

 

とカルテに表示されていたので、

連絡をしました。

 

するとSNDUは、

夜中にもかかわらず、

病院に来たのです。

 

そして、

死亡確認・死亡診断書の作成も、

自ら行っていたはずです。

 

さらに、

家族に、

泣きながら対応していました。

 

その時は、

どうだったか忘れましたが、

弔いの花束を持参することもありました。

 

その姿だけ見れば、

 

「素晴らしい医師だ」

 

と思うかもしれません。

 

実際私も、

その時はそう思いました。

 

しかし、

それは違ったのです。

 

また別の日に、

同様に夜中、

患者が亡くなりました。

 

前回と同様、

SNDUに連絡しましたが、

反応は全く違いました。

 

「当直医に、死亡確認と死亡診断書の作成をお願いして」

 

結局、

来院することなく、

指示通りに、

死亡確認・死亡診断書の作成を、

当直医にお願いして、

お見送りは、

看護師だけで行いました。

 

この2つの事例の違いは、

一体何なのか。

 

もう、

薄々気付いていることと思いますが、

要は

 

「袖の下」

 

つまりお金です。

 

正規の入院費の他に、

医師に直接お金を渡している人には、

前者のような手厚い対応をして、

そうでない人には、

後者のような対応を取るということです。

 

本当に、

わかりやすい対応です。

 

私が最初に働いた病院、

そしてこの転勤した病院を含め、

系列の病院では、

正規の入院費・治療費以外に、

金銭・物品を受け取ることは、

表上禁止されていました。

 

ですから、

退院の時に、

家族がお菓子を看護師に持ってきても、

丁重にお断りしていました。

 

そいうえば、

救命救急センターの医師が、

嘆いていたのを思い出しました。

 

「俺ら、そいういの(袖の下)無いから、全然儲からへん」

 

救命救急センターの医師は、

他の医師より激務をこなしているのに、

自ら求めることもしないのです。

 

逆に、

素晴らしいと思います。

 

「袖の下」

 

に関しては、

医師の

 

「悪しき伝統」

 

なのですから。

 

しかも、

患者側が自らの意思で、

渡すのならともかく、

自らそれを要求するというは、

もってのほかだと思います。

 

私の父は、

心臓ペースメーカーを留置していたのですが、

それが逆に悪影響を与えているので、

除去することになりました。

 

本来なら、

心臓ペースメーカーの除去は、

循環器内科医によって、

心臓カテーテル室で行われるのですが、

癒着がひどく、

手術室で外科的に行われることになりました。

 

すると、

執刀医は全然そんなそぶりはなかったのに、

麻酔科医が、

術前訪問の際に、

口には出さないけど、

そんな態度を見せたそうです。

 

これは、

母から聞いた話です。

 

母は、

 

「渡したほうが良いのはわかっているけど、うちにはそんな余裕がない」

 

と言いましたが。

 

しかし私は、

 

「そんな必要はない」

 

と言いました。

 

確かに、

裕福であれば、

私も渡すかもしれません。

 

しかしその時、

私は近畿中央病院を

 

「クビ」

 

になって無職でしたし、

そうでなくても、

一般庶民ですから、

なぜ裕福な医師にお金を渡さなければならないのか、

疑問しかありません。

 

給料を貰っていないのならわかりますが、

医師は給料をもらって、

手術をするなり、

麻酔をかけるなりするのです。

 

要は、

 

「仕事」

 

です。

 

給料以上に、

報酬を貰おうとするのは、

おかしな話です。

 

そこはあくまで、

患者側の意思に任せるべきではないでしょうか。

 

患者側から、

渡すというのであれば、

受け取ってもいいでしょうし、

患者側が、

渡せる状況にないのであれば、

要求など、

するものではありません。

 

一番カッコいいのは、

例え家族が渡してきても、

お断りすることだと思います。

 

父の件の麻酔科医のように、

要求する態度を見せるというのは、

カッコ悪い以外の、

何ものでもありません。

 

それなら、

口に出して、

 

「お金をくれ」

 

と言ってくれたほうが、

まだマシです。

 

しかも、

執刀医に渡すのならともかく、

なぜ麻酔科医に渡さなければならないのか。

 

お金を渡さなければ、

麻酔の量を減らすのですか?

 

それとも逆に、

麻酔を過剰投与して、

死に至らしめるのですか?

 

私情を、

仕事に持ち込むなど、

最低の人間がやることです。

 

「袖の下」

 

にかかわらず、

自分の仕事を完璧にこなすことが、

カッコいいことなのではないでしょうか。

 

医師に、

 

「袖の下」

 

を渡すのは、

裕福な方々だけでいいのです。

 

一般庶民は、

この悪しき伝統を変えるべく、

金銭・物品の供与はやめましょう。

 

そんなことをしても、

医師の対応は変わりません。

 

それで、

態度を変える医師のほうが、

信用できません。

 

実際、

私が良い医師だと思っている人は、

金銭・物品を貰おうが貰わまいが、

人によって態度を変えることはなく、

仕事に取り組んでいます。

 

そういう医師に出会うことのほうが、

金銭・物品で釣ることより、

大切だと思います。

 

医師は、

お菓子を貰った時には、

看護師にまわしてくれたりします。

 

多分、

自分たちだけでは、

食べきれないぐらい貰っているからだと思います。

 

くれるから良い医師というわけではなく、

やはりそこは、

仕事と人柄で、

判断するべきです。

 

近畿中央病院でも、

金銭・物品の受け取りは、

禁止されています。

 

しかし、

退院時に、

祝儀的に、

お菓子を持ってくる家族がほとんどです。

 

病院の方針を説明して、

丁重にお断りするのですが、

それでも、

強引に置いていく人も少なくありません。

 

事情を病棟師長に説明して、

結局受け取ってしまうことになるのですが、

退院時は別に、

受け取ってもよいのではと思います。

 

退院は、

めでたいことであって、

お菓子は

 

「ご祝儀」

 

なのですから。

 

ただし、

基本的に受け取らない方針であることと、

自ら求めないことだけは、

厳守するべきです。

 

前に話したかもしれませんが、

以前に話した、

救命救急センターの病棟師長だったMRYMが、

看護師がやむを得ず受け取った、

退院時に患者が渡したお菓子を、

郵送で送り返したことがありました。

 

それは、

病院の方針を遵守した結果ですが、

これはやり過ぎだと思います。

 

今回は、

結果的に医師の2例を挙げましたが、

何回も言います。

 

裕福でない限り、

医師に金銭を渡す必要はありません。

 

それで、

態度を変えるような医師に、

診てもらう必要はありません。

 

そのお金を使って、

金銭で動じない、

良い医師を探すほうが、

よほど有用です。

 

私のこの記事をみて、

耳が痛い医師が、

多くないことを望みます。