看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

「経営に参画する」・・・約20年の時を経て奇しくも同じ目標を掲げた2つの看護部/その内容には違いあり!

先週は、

土曜日まで仕事だったので、

投稿が遅れました。

 

今日の話題は、

看護部が毎年掲げる

 

「目標」

 

についてです。

 

看護部は、

毎年、

その年の目標を設定します。

 

もちろん、

何を目標にして、

仕事に取り組めばいいのか、

示してもらったほうが、

こちらとしては働きやすいので、

それ自体は良いことだと思います。

 

しかし、

現場の意見を、

必ずしも反映しているわけではなく、

的外れなことが多いのが、

この

 

「目標」

 

なのです。

 

なにせ、

現場の意見をまったく聞かずに、

看護部の首脳たち(看護部長・副看護部長)が、

 

「机上の空論」

 

で考えることなのですから。

 

まず最初に、

題目にある

 

「経営に参画する」

 

という目標を聞いたのは、

最初に看護師として働いた病院でした。

 

時期としては、

その病院で働き始めてから、

数年が経ってからのことでした。

 

ただこの時は、

積極的に

 

「患者勧誘をしろ」

 

というよりも、

 

「コスト削減の努力をしろ」

 

という意味合いのほうが、

強かったのです。

 

例えば、

私が所属していた救命救急センターでは、

気管内挿管や気管切開をしている患者に対して、

痰の吸引を行う場合に、

1度の吸引で3回行うとしたら、

3回とも新しい吸引チューブを用いて、

吸引を行っていました。

 

当時でも、

こんなことをしている施設は、

あまりなかったようです。

 

それを、

1度の吸引で、

何回吸引を行うとしても、

1本の吸引チューブで行うように、

改めました。

 

吸引と吸引の間は、

アルコールで消毒し、

終了したら、

その時使っていた吸引チューブは破棄。

 

そして、

次の吸引の機会には、

新たな吸引チューブを使用するのです。

 

吸引は、

2時間ごとに、

体位変換のあとに行うので、

改めたあとは、

1日に12本の使用となります。

 

それまでは、

1度の吸引で3回吸引するとして、

1日に36本の使用でしたので、

確実にコストダウンとなりました。

 

こういうことで、

コストダウンをはかり、

 

「経営に参画」

 

するのであれば、

全然問題はありません。

 

しかし、

この言葉の裏には、

少なからず、

 

「看護師が積極的に行動して新規患者を獲得せよ」

 

という内容が含まれていました。

 

看護部は、

あえて口のには出しませんでしたが、

そういうニュアンスが、

ひしひしと伝わってきました。

 

しかし、

新規患者の獲得は、

医者ならびに、

病院を運営している、

事務方の仕事ではないですか?

 

病院で唯一、

24時間稼働していて、

激務をこなしている看護師に、

さらなる負担を強いるというのは、

いかがなものかと思います。

 

看護部も、

反発を招くのがわかっていたからか、

そのことを、

あえて前面に出さなかったのです。

 

当時の看護部は、

今と比べたら、

まだ常識を持ち合わせている人が居ましたから、

そういう人が、

ストップをかけたのだと思います。

 

次に、

看護部が、

この目標を掲げたのが、

20年以上の時を経た、

近畿中央病院でした。

 

久々登場の、

前田正美が、

看護部長をしていた時です。

 

ただ、

同じ

 

「経営に参画する」

 

ということでも、

ニュアンスが違いました。

 

以前働いていた病院では、

前述のように、

内心は看護師自らが、

新規患者を獲得する要素を含みつつも、

それを前面に出すことはできない(組合がうるさい)から、

コストダウンを意識することを、

表の理由としました。

 

しかし、

近畿中央病院の看護部は違いました。

 

看護師に、

新規患者を獲得するために動くことを、

求めたのです。

 

先にも述べたように、

24時間稼働し、

激務をこなしている看護師に、

公然とさらなる負担を、

求めたのです。

 

これは、

組合が機能していないこと、

そして、

近畿中央病院の経営状態のひっ迫が、

原因として挙げられます。

 

そもそも、

近畿中央病院の事務方は、

何の努力もせずに、

漫然と病院を経営してきたので、

そのツケが回ってきただけなのに、

そのツケを、

看護師に押し付けるとは、

言語道断です。

 

近畿中央病院は、

Googleの口コミで、

平均評価が3.3(3が標準)あるのですが、

標準以上の評価を得ている病院が、

経営がひっ迫して、

数年後に吸収合併されるというのは、

不可解かつ滑稽な話です。

 

そんなに、

人気がある病院であれば、

経営もうまくいっていて、

単独で建て替えができるはずです。

 

そもそも、

前々院長の案のまま、

前院長・有田憲生が、

建て替えをしていたら、

自ずと、

新規患者を獲得できていたのです。

 

それらすべてのツケを、

すべて看護師に押し付けようとしたのです。

 

こんな理不尽、

あり得ないでしょう。

 

近畿中央病院とは、

そんな病院です。

 

とにかく、

いずれにしても、

普段激務をこなしている看護師に、

経営まで押し付けること自体が、

間違っているのです。

 

経営は、

事務方が行っているのですから、

その努力は、

事務方が行うべきです。

 

「売り」

 

が欲しいのなら、

腕の良い医師を、

引き抜いてくるか、

既存の医師の、

技術向上をはかるべきです。

 

新たな、

腕の良い医師を獲得するお金もないし、

医師に意見できないから、

結局文句を言わない(言えない)看護師に、

無理を強いてくるのです。

 

頼むから、

看護師には、

日々気持ちよく、

看護の仕事を、

気持ちよくできるよう、

配慮してほしいものです。

 

看護師に、

 

「経営に参画する」

 

ことを求める病院の末路など、

たかだか知れています。

 

そう、

近畿中央病院のように、

消滅する運命にあるのです。