私が、
近畿中央病院に来て、
外来の検査部門に居た、
2008年8月から2011年春までの間、
病棟ではないため、
夜勤がありませんでした。
その代わり、
救急外来で、
全日の当直と、
土日祝日の日直を、
月2~3回程度行っていました。
当時は、
「通院患者以外は断ってもいい」と言われていましたが、
救急隊からの搬送依頼や、
患者・家族からの受診希望の連絡に対して、
あからさまに、
病院の方針で断るということは、
憚られました。
もちろん、
病院から消防署に、
「うちは通院患者しかとりません」とは、
言っていません。
断るのは、
電話を受けた者、
つまり我々看護師なのです。
現場任せということです。
一応、
断るにしても、
当直医に聞いてからということになっているので、
確認を取ります。
中には、
通院患者じゃなくても診るという当直医も居て、
こちらとしては助かりました。
看護師にとっては、
断るよりも、
診察してくれるほうが、
断ることをしなくていいので、
ありがたかったのです。
病院の方針を大っぴらにいえず、
また「当直医が診ないと言ってる」とも、
もちろん言えない(場合によっては言います)ので、
結局は嘘を言うしかないのです。
例えば、
救急外来がたて込んでいるとか。
それで、
引き下がってくれたらいいですが、
食い下がることもあります。
今は、
もう居ないようですが、
伊丹の南野の救急隊のおっさんなんか、
当直医に確認して、
この時は本当に満床やから断ったら、
「なんで取られへんのや」と、
逆ギレする始末。
「満床なのに入院することになったら、どこに入院させるんですか?」と問うと、
「それはそちらが考えることだ」と、
まったく取り合いません。
最終的に、
「私個人としては取りたいですが、当直医が取れない・診れないというものを、私の一存で取るわけにはいかないでしょ?」と言うと、
その時はやっと引き下がりました。
こう言っても、
なお食い下がる奴も居て、
「明日院長に言う」と脅してきました。
私が、
「どうぞ言ってください」と答えると、
「覚えてろよ」と捨て台詞を残し、
渋々ながらやっと電話を切りました。
しかし、
そのあと院長に電話した形跡はなく、
私が呼び出しを受けることはありませんでした。
中には、
本当に電話したことがあって、
当該の看護師が、
看護部長に呼び出されて、
注意されたそうです。
でもこれって、
病院が内々の対応しかせずに、
実際の対応を現場任せにしていることが、
一番の問題なのではないでしょうか。
自分たちのことを棚に上げて、
末端の者に注意するとは、
呆れてしまいます。
何度か、
「じゃあ当直医と直接話しますか?」と言ったら、
引き下がったことがありました。
要は、
看護師になら強気に言うけど、
医師にはようモノを言えないということ。
それやったら、
最初から強気に出るなよという話です。
逆に、
あまりにも脅しが酷いから、
「消防署長に言う」と逆に脅したら、
引き下がったこともありました。
私は違いますが、
誰しも権力者には、
弱いようです。
この頃は、
日替わりで、
伊丹市の病院で、
救急当番が決まっていたので、
例え断ったとしても、
当番病院に振ることができました。
もちろん、
近畿中央病院も、
当番に当たる日替がありましたが、
他の病院に比べて少なかったようです。
その日ばかりは、
通院患者でなくても、
受けざるを得ませんでした。
たしか、
近畿中央病院と伊丹市民は単独で、
それ以外のところは2病院組んで、
救急当番をこなしていたと思います。
今は、
救急当番制度が廃止されたのと、
前院長の、
「救急を断らずに取れ」との大号令により、
断ることは少なくなりました。
しかし、
まだ救急の体制整備が出来ていないのに、
救急をどんどん取りだしたことで、
救急もそして患者を受け入れる病棟も、
大混乱を極めました。
「(患者を)取らんでいい」と言ってたと思ったら、
今度は急に「取れ」と言った近畿中央病院。
それに翻弄された現場。
行き当たりばったりのやり方は、
改めていただきたいです。
次のエピソード。
近畿中央病院(看護部長)は、
我々によく「うちは急性期病院だから」と言います。
「そんなことは知っています」
「アホじゃないので何回も言わなくてもわかっています」
と言いたいです。
看護師は、
そこまで頭悪くありません。
たぶん、
看護部長の頭が悪過ぎて、
繰り返し言っておかないと忘れてしまうから、
言うのかもしれません。
このことでも、
トラブルが起きます。
急性期病院ということは、
状態が落ち着いたら、
退院してもらうのが、
一番良いことです。
しかし、
リハビリが必要であるとか、
家で看ることが出来ないなどの理由で、
慢性期の病院への転院を考えなければなりません。
そのことを、
医師から患者本人や家族に説明すると、
だいたいは文句を言いません。
ですが、
いざ医師が居なくなったら、
「なぜ同じ病院に変わらなければならないのか」
「追い出される」と、
看護師に対して山ほど文句を言います。
中には、
医師や近所の人に対して、
「看護師に病院から追い出される」という人まで。
もっと酷い場合、
「ここ(近畿中央病院)はすぐ患者を追い出す」と、
他の患者に吹聴することも。
これは、
病院にはそれぞれ役割があるということを、
一般の人に浸透していないから起こることです。
ですから、
病院の責任というよりは、
厚生労働省の責任だと、
私は思っています。
厚生労働省は、
病院に向けて言うのではなく、
一般の人が広く理解できるように、
病院の役割について、
啓発する必要があると思います。
病院もまた、
自分のところの職員に言うのではなく、
患者とその家族に、
入院前に、
その説明を行うべきです。
わかっている職員に、
繰り返し言うのは、
無意味なことです。
患者や家族にとって、
病院は病院でしかなくて、
見た目では、
どこが急性期病院かどこ慢性期かなど、
わかりません。
書いてすら、
ないのですから。
それなら、
近畿中央病院で例えると、
「急性期・近畿中央病院」と表記すれば、
誰でも一目瞭然でわかると思います。
まあ、
急性期急性期と言いながら、
実質半分慢性期病院みたいな患者層ですが。
だからこそ、
余計患者とその家族が、
混乱するのでしょう。
この2つの例は、
どこの病院でも、
多かれ少なかれ起きていることだと思います。
病院は、
内々の対応に終始し、
現場任せにするのではなく、
もっと根本的な部分に目を向け、
解決をはかる策を講じる必要があります。
病院の無策によって、
被害を被るのは、
いつも末端の看護師です。
板挟みは、
もうゴメンです。