インシデントは、
起こさないにこしたことはありません。
しかし、
25年近くも、
看護師をやっていると、
起すこともあります。
幸い、
「医療事故」
にまで至ったことは、
ありません。
人間は、
ミスをするものです。
事前に、
ミスを犯さないようにしておくことが、
一番大切ですが、
万が一にも、
ミスを犯した場合は、
きちんと検証して、
2度と同じことが起こらないような、
対策を立てることが必要です。
航空機の場合、
人間のミスを極力失くすために、
現代では、
高度に自動化されています。
2大メーカーである、
共に、
コンピューターを用いた、
自動操縦を取り入れていますが、
それぞれ考えが違います。
ボーイング社は、
異常事態が発生した時、
最終的な判断は、
人間、
つまりパイロットの判断に、
任せてしまいます。
エアバスの場合は、
人間(パイロット)よりも、
コンピューターを優先する思想です。
なので、
新しい機種では、
操縦桿ではなく、
代わりに、
ゲーム機のような、
「ジョイスティック」
で、
操縦するようになっています。
看護の世界では、
いくら対策を立てても、
また同じことを繰り返してしまいます。
それは、
以前から何度も話しているように、
検証が不十分であること、
そして、
一部の人間が、
インシデントを起した当事者を、
つるし上げて終わりにしていることに、
起因しています。
また、
同僚に、
インシデントを起させようとする、
輩の存在があります。
こんな、
底辺のことをしているから、
インシデントは、
いつまで経っても、
なくならないのです。
また、
検証した結果、
立てた対策に、
疑問を感じることも多々あります。
前置きが長くなりましたが、
そんな例を話します。
私が居た病棟に、
若くして神経内科の疾患に罹患して、
ほぼ寝たきりになっている患者(INGKさん)が居ました。
私は、
INGKさんのプライマリー看護師を、
長期に渡ってしていましたが、
私がチーム替えになって、
小池に引き継ぎました。
でも、
他チームに応援に行くと、
必ずと言っていいほど、
INGKさんの受け持ちになりました。
まあ、
気管切開をしていたり、
なかなか新人に、
受け持ちをさせにくい状況にはありましたし、
わかるのですが、
状態の重い患者は、
自チームのメンバーで、
看るべきだと思います。
我々のチームが、
同じことをしたら、
激怒するくせに、
自分たちは平気でやる。
これが、
近畿中央病院6階西病棟というところです。
まあ、
プライマリーを長期間やっていたし、
心配ではあったので、
たまに担当するのは、
私にとって、
まったく苦ではありませんでしたが。
その日は、
午後から若干手が空いていたので、
INGKさんの、
その日の予定に入っていない、
清潔ケアをしようと思いました。
まず、
伸び放題だった、
手足の爪を切りました。
「どれぐらい、切ってないねん」
と思うぐらい、
伸びていました。
鼻毛も伸びていたので、
切りました。
次に、
耳をみると、
耳垢でいっぱいでした。
「このチームの奴らは、耳掃除もしないのか」
と思いました。
「プライマリーの小池は、何をしとるんだ」
と、
思いました。
自分で言うのも何ですが、
こういうところに気付き、
きちんと行うことができるのが、
ベテランというものなのです。
それだけ、
お金(給料)を出す、
価値があるのです。
小池のような、
若手から中堅の域に入ろうとする看護師は、
仕事はそこそこできるかもしれません。
しかも、
私のようなベテランよりも、
安価なコストで。
でも、
それなりの仕事しか、
しないのです。
そんなことに気付かず、
コスト削減のために、
安くて若い看護師しか雇わない病院は、
サービスレベルが低いところが、
多いのです。
それでよく、
「患者のやさしい病院」
などと、
言えたものだと思います。
さすがに、
他人に耳かきを使うのは、
私も怖いので、
綿棒を使って、
行いました。
すると、
「出るわ出るわ」
という感じで、
多量の耳垢が出てきました。
INGKさんは、
相当気持ち悪かったはずです。
INGKさんは、
声は出せないけれど、
声に対して、
うなずいたり首を振って、
返答できます。
これだけ、
耳垢が詰まっていたら、
声は聞こえなかったかもしれません。
それを放置していた、
相手チームはこそ、
糾弾されるべきです。
耳かきが終了し、
一旦部屋から退出しました。
そして、
部屋に戻ると、
枕カバーが、
血で汚染していました。
どうやら、
片方の耳から、
出血しているようでした。
おそらく、
耳垢が耳の穴の中で固着して、
剥がれた時に、
皮とともに剥がれて、
出血したものと思われます。
止血を試みましたが、
一向に止まりません。
私は、
リーダーに報告する前に、
主治医に連絡しました。
時間が、
日勤の定時(17時30分)を過ぎている時間でしたが、
主治医が診に来てくれました。
そして、
詰め物をして、
翌日、
耳鼻科に診てもらうことになりました。
出血したり、
診察が必要な案件ですが、
近畿中央病院の基準では、
インシデントの範疇でした。
その日のリーダーと、
病棟師長に報告し、
インシデントレポートを書きました。
そして後日、
その検証を行ったのですが、
いつもの如く、
仕事中の短い時間での検証なので、
次につながらないようなことで、
終わってしまいました。
どの文献を見ても、
「インシデント・医療事故の検証は、起こした当事者にだけ責任を押し付けたり、『つるし上げ』に終始することなく、再発を防止できる、実効的な対策を立てることが必要」
とされています。
しかし、
近畿中央病院においては、
検証をしたという、
実績のみが重視され、
再発防止のための具体策は、
まったくといっていいほど、
立てられていません。
だから、
また同じことが起きるのです。
しかも、
「つるし上げ」
に終始しています。
井上裕貴など、
「今回のことは・・・」
と、
「何様」
と言わんばかりの内容を語り、
当事者を批評します。
しかし、
いざ自分がインシデントを起したら、
ヘラヘラしています。
こんなことが、
まかり通っているから、
いつまで経っても、
同様のインシデントが、
なくならないのです。
要は、
同様のインシデントをなくすことよりも、
話し合いを持ったことだけで、
満足してしまっていること、
そして、
当事者をつるし上げることに、
終始しているのです。
こんな、
程度に低いことでは、
今後も何も解決しないでしょう。
一番びっくりしたのは、
6西病棟の、
当時医療安全担当だった、
中嶋紀浩の言葉です。
「今後、患者の耳かきはしないこと」
は?
患者の身の周りの世話は、
看護師の仕事ではないか。
それをするなというのか!?
びっくりするわ。
そりゃ、
耳かきをしなければ、
同じことは起きないでしょうよ。
しかし、
それじゃあ、
患者を耳垢まみれで放置しろということか!?
それはそれで、
大問題でしょう。
これは、
根本的な解決とは、
ほど遠い対策だと思います。
目先のことだけでモノを言っていたら、
どこかで矛盾を生じることになります。
そならないためには、
もっと時間をかけて、
実効的かつ現実的な対策を、
話し合うべきではないでしょうか。
これって、
間違っていますか?
インシデントに対する話し合いをしたという、
実績だけで満足している近畿中央病院においては、
私の意見はごく少数派なのです。
そんな、
少数派の意見を潰してしまうのも、
近畿中央病院のクオリティです。
そして、
近畿中央病院を、
追われることになったのです。
自ら、
「出ていけ」
と言わず、
こちらに、
「辞める」
と言わせるように持っていく、
それが、
近畿中央病院というところです。
何回も言います。
「行くな(就職するな)」
とは言いません。
受診は、
どんどんしてください。
医師は、
優秀な方が多いですから。
しかし、
働くのは、
私はおすすめしません。
これも、
何度も言いますが、
「自分だけは大丈夫」
という考えは、
近畿中央病院では通用しません。
私も、
そう思っていましたが、
結局、
辞める羽目になったのですから。
しかも、
あと数年でなくなるところです。
「潰れ行く泥船」
に、
わざわざ乗る必要はないでしょう。
患者の清潔ケアを放棄し、
自己満足に浸り、
自分たちの体制の不備により、
看護師を病気にさせて、
その責任を一切取らないような病院に、
未来などないのです。
ベテランと、
3年目ぐらいまでの看護師はいいとして、
所謂中堅どころの看護師を見ていると、
辞めずに残っているのは、
みんな、
同期の中でも、
一番できない奴か、
近畿中央病院に染まりすぎて、
他では通用しない者、
ばかりではないか。
小池然り。
菊池然り。
患者の耳かきをしないなど、
他の病院では、
絶対に通用しません。
他で通用しないことがまかり通るのも、
近畿中央病院の伝統です。
しかし、
見る人が見ればわかるのが、
近畿中央病院は、
常に中途採用の看護師を募集しています。
それでも来ないというのは、
言わずもがなです。
この時期、
他の主要な病院では、
来年4月採用の新人や中途採用で、
定員は満たされているはずなのです。
それでも、
定員が満たされないというのは・・・
ということです。
毎年度末、
近畿中央病院では、
大量の看護師が退職しますが、
2022年3月末で、
どれだけの看護師が辞めるのか、
今から楽しみです。
【追記】
以前話した、
資格の件ですが、
無事取得することができました。
この歳で、
取得できるか心配でしたが、
これで一安心です。
一昨年の年末年始は、
労災による結核で入院。
倦怠感が強く、
死ぬ思いをしました。
昨年は、
近畿中央病院を退職して、
無職状態だったので、
侘しい年末年始でした。
今年は、
応援してほしい人からの応援があり、
資格も取得できて、
ここ数年では、
一番良い年末年始を、
過ごせそうです。