看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

「覚えていないでしょ?」→半分図星です

看護師にとって、

自分のかかわった患者の、

回復した姿を見るのは、

嬉しいことです。

 

しかし、

私は、

人を覚えるのが苦手なのと、

入院中の姿とその後の姿が、

全然違うことが多く、

すぐにその患者と、

気付けないことがあります。

 

私が、

救命救急センターに勤めていたころ、

仕事中は、

あまり部署からでることがなかったのですが、

その日は、

何かしらの用事で、

部署を出ました。

 

救命救急センターから、

病院内に通じるドアを出たところで、

車椅子に乗った男性に、

声をかけられました。

 

救命救急センターの、

ドアを出たところは、

リハビリ室に行く廊下に、

面していました。

 

「看護師さん、お久しぶりです」

 

(?)

 

私は、

少し戸惑いました。

 

見たことある人だということは、

すぐにわかりました。

 

しかし、

入れ替わりの激しい救命救急センターで、

患者全員の名前と顔を一致させるのは、

難しい話でした。

 

それでも、

その患者は、

私のことをわかっているようです。

 

それで、

話を合わせているうちに、

 

(誰だったかな?)

 

と、

考えていました。

 

しかし、

患者は、

よく看護師のことを見ているものです。

 

その患者に、

こう言われました。

 

「あ、わかってないでしょ(笑)。○○です」

 

(!)

 

名前聞いて、

完全に思い出しました。

 

 

その人は、

たしか当時、

30歳前後の男性で、

交通事故で、

頚髄損傷になり、

 

「ハローベスト」

 

を装着していた患者でした。

 

※ハローベスト

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手術が行われるまで、

これを装着して過ごすのです。

 

この患者は、

救命救急センターに入院中、

将来を悲観して、

しばらくは、

ずっと泣いていました。

 

しかし、

自己の状況を受け入れ、

努力した結果、

車椅子を、

自己で操作できるまでに、

回復したのです。

 

若かったこともあり、

当初考えられていたよりも、

良い方向に、

回復していました。

 

なにより、

あれだけ悲観していたのが、

この時は、

笑顔でした。

 

前向きになれた、

証拠です。

 

そのことが、

一番嬉しく思いました。

 

病気にならない、

ケガをしないのが一番ですが、

もしそうなってしまった場合、

こういう、

患者が回復した姿を、

1人でも多く見てみたいものです。

 

しかし、

そんなことは、

私にはもうないのです。