看護師は、
どうでもいいことにこだわる人が、
多いように思います。
偏見かもしれませんが、
少なくとも、
私の周囲には、
そういう人が多かったように思います。
「多かった」
というよりも、
そういう人たちは、
その理論が、
一般的に正しかろうが間違っていようが、
他人に対して主張する人ばかりなので、
目立っていただけかもしれません。
今から話すことは、
私が、
最初に働いた病院の同期で、
一番仲が良かった友達、
HMMT君から聞いた話です。
私が、
就職して1年で、
異動したのと入れ替わりで、
とある主任が成人精神神経科に来ました。
ですから、
私は一緒に働いたことがありません。
しかし、
HMMT君によると、
着任以来、
様々なエピソードを、
打ち立てたようです。
名前を忘れたので、
この文章の中では、
単に、
「主任」
と呼びます。
ある日、
詰所会が開催されました。
たしか、
HMMT君が、
司会か書記だったと思います。
話し合いは順調に進み、
話し合うべきことは話し合ったので、
会を終わろうとしました。
「他に議題はありませんか?なければ終わります」
そういうと、
主任が手を挙げました。
そして、
こう言いました。
「内服薬の処方に関して、確認したいことがあります。定期処方と臨時処方とDo処方の違いって何なのですか?」
これを聞いたHMMT君は、
「わけわからんこと言いやがって。時間の無駄や」
と、
思ったそうです。
その通りです!
そんなこと、
疑問に思っているのなら、
もっと早いうちに、
誰かに尋ねておくべきです。
それを、
着任してから、
1年ぐらい経ってから、
しかもわざわざ詰所会で尋ねるとは。
「時間の無駄」
以外の、
何ものでもありません。
この主任、
「私も知らないんだから、あなたたちも知らないでしょ?」
という考えで、
わざわざ大勢スタッフの居る詰所会で、
議題にしたようです。
は?
何を言っとるんだ!
まず、
「定期処方」
というのは、
薬を、
1週間毎(7日毎)に処方するというように、
オーダーリングしておけば、
その都度オーダーしなくても、
定期的に処方されるということです。
入院の理由となっている疾患以外の、
慢性疾患(持病)に対する薬なら、
これでいいと思います。
しかし、
精神神経科は、
症状に応じて、
細かく薬を調節する必要があります。
それに、
毎回同じ薬を、
漫然と出すのであれば、
入院は必要ないわけです。
うろ覚えですが、
精神神経科においては、
定期的に薬を見直すことが、
「必須」
だったはずです。
1週間毎に、
内服薬を見直しているということを、
示す意味もあって、
1週間毎に、
改めてオーダリングするのです。
これが、
「臨時処方」
です。
次に、
前回と同じ処方内容ということを、
「Do処方」
と言うのであって、
「定期処方」「臨時処方」
と、
同じ次元で語ることではないのです。
そもそも、
この主任、
いくら精神神経科が初めてといっても、
看護師としては、
「超」
が付くぐらいの、
ベテランです。
この件は、
別に精神神経科特有のことではないので、
今までに経験しています。
なぜ、
この期に及んで、
その場でそんなことを聞いたのか。
やはり、
前述の、
「私も知らないんだから、あなたたちも知らないでしょ?」
これに、
尽きると思います。
心配しなくても、
1年しか居なかった私でも、
精神神経科に来た初期に、
教えてもらったから知っています。
しかも、
もし尋ねるのであれば、
薬剤師に尋ねるべきです。
「知らない」
と思われている者同士で話し合っても、
答えが出るわけがないのです。
実際は、
みんな知っているので、
すぐ答えは出ますが。
これを、
「時間の無駄」
というのです。
もっと基本に立ち返ると、
きちんと薬がオーダーされているのなら、
定期処方だろうが臨時処方だろうがDo処方だろうが、
いいじゃないですか。
薬袋の表記が違うだけです。
こんなことに、
こだわる必要あると思いますか?
精神神経の医師は、
薬を出すのが大きな仕事ですから、
薬を出し忘れた例は、
私が在籍した1年でも、
そうそう聞いたことがありません。
万が一、
出し忘れていたとしても、
夜間でも精神神経科医師の当直が居るので、
出してもらえばいい話です。
一般の内科においては、
先に話した、
に入院の理由と関係がない、
持病に対する薬を、
出し忘れる例は、
あるかもしれません。
しかし、
転勤した病院と、
近畿中央病院では、
病棟担当の薬剤師が居て、
その人たちが、
処方切れがないように、
管理をしてくれていました。
看護師は、
つまらないことに時間を割くのではなく、
今何が一番大切なのかを考えて、
発言・行動を行うべきです。
この主任、
どうやら、
柔軟な考えのできない人のようです。
例えるなら、
「1+1=2」
にしか、
絶対にならない人です。
つまり、
発想が貧困だということです。
いろいろな人を相手にする以上、
それではダメだと思います。
看護師は、
柔軟で豊かな発想力で、
仕事にあたるべきです。
そうすれば、
こんなしょうもないことを言うことは、
ないと思います。
先に言ったように、
このエピソード以外に、
数々の逸話を残したこの主任。
HMMT君は、
いつも怒っていました。
「また、要らんこといいやがって」
と。
主任には、
誰もモノを言わないから、
暴走は止まらないのです。
私は、
この人と一緒に仕事をしなくて、
良かったと思っています。
もし、
一緒に仕事をしていたら、
HMMT君以上に、
腹を立てていたでしょう。
しかし、
こんなのまだマシなほうです。
このあと、
片山・藤崎・井上・小池で、
もっと腹が立つのですから。