看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

「精神論」だけでは根本的な解決はできない/精神論のみで押し通し、「圧力」も交える男・古川

物事が、

精神論では解決しないことは、

以前に述べました。

補給・補充の軽視は国をも滅ぼす/補充をしない女・藤崎 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

この時にも言いましたが、

確かに精神論は、

時には必要だと思います。

 

しかし、

それだけをゴリ押しして、

物事を解決しようとするのは、

いかがなものかと思います。

 

こんな話があります。

 

これは、

聞いた話です。

 

古川睦が、

私の上司になる前、

別の病棟の師長をしていた時のこと。

 

その時、

その病棟には、

食事介助を要する患者が、

20数人居たそうです。

 

日勤なら、

看護師の数が居るので、

困難ではありますが、

なんとかなります。

 

しかし夜勤は、

看護師3人、

ヘルパーが居たとしても、

4人しか居ません。

 

朝食時は、

日勤のヘルパーが来るので、

もう少し楽になります。

 

4人で、

20数名の食事介助など、

普通に考えたら、

できるわけがないのです。

 

食事介助を要する患者は、

得てして食べるスピードもゆっくりなので、

余計に無理なことがわかります。

 

私も、

さすがに20数名ということはありませんでしたが、

かけ持ちで食事介助をしたことがあります。

 

時には、

2人部屋のベッドの間に立って、

2人の食事介助を、

同時並行で行ったこともあります。

 

感染管理の観点からは、

あまり良いことではありませんが、

私の場合、

1口介助したら手袋を変えるなど、

対策をしていました。

 

また、

日勤では、

基本的に受け持ち看護師が、

その患者の食事介助を行うことになっていますが、

夜勤の場合は、

1人の看護師に、

要介助の患者が偏って受け持ちになっていることが、

多々あります。

 

なので、

食事前に、

夜勤のリーダーを中心に、

誰が誰の食事介助を行うか決めます。

 

話を戻して、

その病棟の看護師は、

病棟師長・古川に対して、

こう言ったそうです。

 

「師長さん無理です」

 

それに対して古川は、

こう返しました。

 

「無理って言うな。そんなん言うんやたら、今後俺は、お前らの休み希望一切聞かんからな」

 

「・・・」

 

その看護師は、

それ以上何も言えなかったそうです。

 

この意見は、

この看護師1人の意見ではなく、

その病棟の看護師全員の総意だったと思います。

 

しかも、

やる前から言ったのではなく、

実際にやってみて無理だから、

やむを得ず言ったのだと思います。

 

看護師は、

努力する前から弱音を吐くことは、

ほぼありません。

 

私でも、

最初から無理とわかっていても、

とりあえずやってみます。

 

その上で意見を言わないと、

取り合ってもらえないことは、

最初からわかっているからです。

 

師長に言うということは、

最大限まで頑張った上での、

最終手段なのです。

 

それに対する古川の言葉、

これはないと思います。

 

たぶん、

 

「頑張れよ」

 

という、

ハッパをかけるつもりだったのだとは思いますが、

それならもっと表現のしかたがあると思います。

 

意見を言った看護師も、

解決できるとは思っていないはずです。

 

ただ、

現状をわかってもらって、

共感してほしかったのだと思います。

 

「そうか。大変やな。解決するために、みんなで頑張ろう」

 

とでも言えば、

古川自身の株も上がるはずです。

 

実際に言った方だと、

株はさらに下がるし、

「精神論」と「圧力」で抑え込むことでは、

何の解決にもならないのです。

 

部下のモチベーションを上げたければ、

上司は言動に最大限気を付けるべきです。

 

これで、

モチベーション上がると思いますか?

 

ダダ下がりでしょう。

 

しかし、

看護師の世界というのは、

見返りがない割には、

無理難題を押し付けてきます。

 

一般の人は、

看護師は通常の看護業務だけを、

行っていると思っているでしょうが、

実際にはそれ以外の仕事も、

多く行っています。

 

特に、

病院に勤めている場合は。

 

睡眠時間など、

自分の時間を削って、

その無理難題を成し遂げたとしても、

それで終わりではないのです。

 

「あ、できるじゃん」

 

と判断されて、

さらなる難題を押し付けてくるのです。

 

これの、

繰り返しです。

 

こんなことが、

いつまでも続くわけはありません。

 

体を壊すのが、

関の山です。

 

自分で限界を設けず、

可能性を広げるためには、

それもいいのかもしれません。

 

しかし、

自分の限界を知らずに、

無理をすることは、

頭の良い人間のすることではありません。

 

言われるがままに、

仕事を受けるだけでは、

破綻を招くだけです。

 

とにかく、

看護師の下っ端は、

頑張っています。

 

その上に立つ上司は、

その努力を労い、

気持ちに共感することが必要です。

 

働いてほしければ、

「精神論」や「圧力」で封じ込めることは、

絶対にしてはならない。

 

それは、

何の解決にもならず、

しかも、

部下のモチベーションを、

どん底まで叩き落すからです。

 

部下に圧力をかけるのなら、

まず自ら食事介助をしてみたらどうですか?

 

あなたは、

上司である前に、

看護師なのですから。