看護部本日モ反省ノ色ナシ

看護師を中心に医療界の変なエピソードを話していきます

私は看護師をしておりますが まあおよそ一般社会では通用しないことがまかり通る それが看護師の世界です そんな看護師のエピソードとともに 医療界(病院)の変なことも話していきたいと思います

隠ぺい体質

以前に、

インシデントレポートについて、

触れたことがあります。

お前は書かんのかい!/看護師Hの場合 - 看護部本日モ反省ノ色ナシ (hatenablog.jp)

 

しかし、

病院において、

インシデントレポートをせっせと書いているのは、

看護師だけです。

 

「お前は書かんのかい!」にある通り、

インシデントレポートは、

他人に言われて書くものではないので、

書かないこと自体をとやかく言う権利は、

何人にもありません。

 

とある病院の放射線科において、

こんな話があります。

 

ある患者に、

放射線治療を行った際の話。

 

放射線治療は、

決められた期間の間に、

決められた量の放射線を照射して、

悪性腫瘍を小さくしたり、

痛みの軽減をはかるものです。

 

その時、

1回照射量を多くしてしまい、

それを患者に指摘されたとのこと。

 

普通なら、

そのことをお詫びするところですが、

そこの放射線技師たちは、

残りの1回照射量を調節することで、

トータル照射量を同じになるようにし、

「間違っていない」と主張したそうです。

 

さすがに、

介助についている看護師が、

インシデントレポートを書くよう促したそうですが、

放射線技師は断固として拒否したそうです。

理由は、

「患者との信頼関係が崩れる」と。

 

一見、

もっともらしい意見ですが、

これはあくまでも表向きの意見。

実のところは、

自分たちの評価が下がるのが嫌だからというのが、

本音なのです。

 

看護師からすれば、

未だにそんな考えができるものだと、

呆れたものです。

 

人間は、

ミスをするものです。

そして、

ミスをおかしたときに、

同じミスを繰り返さないようにすることが、

重要なのです。

 

そのために、

インシデントレポートを書いて、

その場に居なかった人にエピソードを共有することが大切です。

 

放射線技師の主張は、

単なる自己保身に過ぎません。

 

確かに看護師は、

インシデントレポートを多く書いている割には、

同じミスを繰り返します。

しかしこれは、

検証のしかたに問題があるのであって、

レポートを書くことが無意味なのではないのです。

インシデントの検証については、

今後掘り下げていく予定にしています。

 

放射線技師からすれば、

「看護師はあんなにいっぱいミスしてるけど、自分たちはしていない」とでも、

言いたいのかもしれません。

しかし、

レポートを書かないということは、

病院の中央、

つまり医療安全委員会などに話が伝わらないということになります。

 

これは、

意図的なインシデントの隠ぺいと言わざるを得ません。

隠ぺいは良くないと思います。

 

ごまかしたことが明るみになったら、

彼らが守ろうとした患者との信頼関係も、

崩れ去るのです。

 

放射線技師に限らず、

看護師以外の病院で働く方々は、

自発的にインシデントレポートを書く人は、

ほとんど居ません。

 

前述の通り、

インシデントレポートは、

本来他人に言われて書くものではありませんが、

現在看護師の間では、

この本来の精神から逸脱した運用により、

他の職種よりはるかに多いレポートが、

提出されているのです。

 

これは、

悪いことではなく、

むしろ良いことです。

一番良いのは、

すべての職種が、

自発的に漏れなくインシデントレポートを書くことです。

 

それらによってあぶり出された問題を、

きちんと検証して、

きちんと対策を立てたら、

将来的にインシデントは減っていくはずです。

 

看護師以外の職種の方、

インシデントレポートは、

自発的にどんどん書きましょう。

書くことは、

決して恥にはなりません。

そう思うことこそ、

おかしい考えなのです。